著者
宮崎 澄雄
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.341-345, 1994
被引用文献数
1

溶血性尿毒症症候群(HUS)は近年増加傾向にある。その病因としてverotoxin産生大腸菌(VTEC)がもっとも重要である。演者らは全国調査により1976年から1980年までの5年間に146例のHUSを集計した。このうち122例について詳細な解析を行った。122例中101例(82.8%)が全治し,中枢神経系や腎障害などの後遺症例15例(12.3%), 死亡例6例(4.9%)であった。この全治群と後遺症+死亡の予後不良群について臨床症状を比較すると,予後不良群において意識障害,けいれん,高血圧の頻度が有意に高かった。また検査成績では,BUN, クレアチニン,GOT, GPT, C3, CH50, CRPなどの生化学的検査が有意の差を示した。VTECあるいは血清抗体は35例で検査され60%が陽性であった。国立小児病院の竹田氏によれば,わが国では毎年1,200例の出血性大腸炎が発生し,HUSは年間100例前後がみられ,その70%はVTEC感染によるという。

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