著者
大久 真幸 相田 美砂子 山高 博
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.47-47, 2003

ハロゲン化アルキルの置換反応にはアルキル基の種類によってS<SUB>N</SUB>2反応とS<SUB>N</SUB>1反応の異なる二つの反応機構がある。本研究ではこの反応機構の違いの要因を量子化学的観点から明らかにする。計算対象はCl-CR<SUB>3</SUB>(R=H or CH<SUB>3</SUB>)のハロゲン交換反応である。 まず気相中での非経験的分子軌道法計算を行い、反応の進行に伴うオービタルの変化がメチル置換基数の違いによって異なることを見出した。次にQM/MM法を用いて水溶液中における自由エネルギー変化の計算を行った。塩化メチルのハロゲン交換反応は水溶液中においてもS<SUB>N</SUB>2型で進行し、活性化エネルギーは気相中に比べて高いという計算結果が得られた。

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