著者
相田 美砂子
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.11_18-11_24, 2022-11-01 (Released:2023-03-31)
参考文献数
4

学校基本調査(政府統計)と大学基本情報(大学改革支援・学位授与機構)に基づいて、国立大学への進学者数や進学率(男女別)が都道府県別に違いがあるのかどうかを明らかにする。学部進学率に地域差があり、その男女別進学率にも地域差がある。しかし、国立大学だけに限って、都道府県別に分野別男女別の学部入学者の割合を調べてみると、それには地域差がないことがわかった。国立大学進学者の分野別割合には極めて大きな男女差がある。しかし、その分野別男女別の割合には地域差がない。
著者
大久 真幸 相田 美砂子 山高 博
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.47-47, 2003

ハロゲン化アルキルの置換反応にはアルキル基の種類によってS<SUB>N</SUB>2反応とS<SUB>N</SUB>1反応の異なる二つの反応機構がある。本研究ではこの反応機構の違いの要因を量子化学的観点から明らかにする。計算対象はCl-CR<SUB>3</SUB>(R=H or CH<SUB>3</SUB>)のハロゲン交換反応である。 まず気相中での非経験的分子軌道法計算を行い、反応の進行に伴うオービタルの変化がメチル置換基数の違いによって異なることを見出した。次にQM/MM法を用いて水溶液中における自由エネルギー変化の計算を行った。塩化メチルのハロゲン交換反応は水溶液中においてもS<SUB>N</SUB>2型で進行し、活性化エネルギーは気相中に比べて高いという計算結果が得られた。
著者
宮本 健悟 相田 美砂子
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.70-71, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
3

2本鎖DNAにおける塩基対間での水素結合また、スタッキングのような相互作用は生体系の中で重要な役割を果たしている。特にスタッキング相互作用には大きな塩基配列依存性があり、多体効果の大きさも塩基配列によって異なる。また、核酸塩基の一つであるGuanine(G)が生体内酸化により8-oxoguanine(8OG)へ酸化されると、C6位のketo-enol互変異性により塩基対形成時の水素結合パターンが変わり、本来8OG(keto)-C対を形成するはずが、8OG(enol)となることで8OG(enol)-T対が形成しうる。実験的にも8OGが存在することでG-C対からA-T対へのpoint mutationが起こる確率が高くなることが報告されている。本研究ではAdenine(A),Thymine(T),Guanine(G),Cytosine(C)だけでなく8OGを組み込んだB-DNAモデルを構築し、理論計算を行うことで、B-DNAの塩基対間相互作用における多体効果、また8OGによるG-C対からA-T対へのmutation誘起について考察した。
著者
相田 美砂子 田中 雅人
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (Low temperature science) (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.21-30, 2006-03-22

The distribution of solvent water molecules around an alkali metal ion is calculated using Monte Carlo method and compared with the optimal configuration. The analysis of the orbital interaction between an alkali metal ion and the surrounding solvent molecules is performed for aqueous solutions of Li+, Na+ and K+, by means of ab initio MO method,with the aid of QM/MM method. The effect of alkali metal ion orbitals reaches as far as 6Å,7Å and 9Å for Li+, Na+ and K+, respectively. This effect is caused by the orbital interactions between the valence orbitals of an alkali metal ion and of the surrounding water molecules. Not only the electrostatic interaction but also the orbital interaction must not be neglected. The difference in the effect between the alkali metal ions is originated from the difference in the valence orbital extensions of the alkali metal ions.
著者
相田 美砂子 大野 啓一 岡田 和正 勝本 之晶
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

放射線による構成塩基の直接的損傷を調べるため、モデル分子として2-アミノ-3-メチルピリジンを対象とし、その窒素および炭素内殻領域での解離を調べた。その結果、特に窒素内殻イオン化が起こる励起エネルギーにおいて、窒素原子周りでの解離が顕著となる特徴的な反応が観察された。この系に対して提唱した解離機構は、2-, 3-, 4-ピコリンを用いた同様の実験によって支持された。DNA構成塩基のモデル分子として2-アミノピリジン類をとりあげ,紫外光による直接的損傷がどのように生じるのかについて,実験と理論計算から取り組んだ。低温マトリックス赤外分光システムに紫外線照射光学系を組み込み、光反応を追跡したところ,紫外光励起によってアミノ-イミノ互変異性が生じることを明らかにした。間接的損傷として,活性酸素による核酸塩基の修飾塩基をとりあげた。それらが,どのようなメカニズムでDNA損傷につながるのかを明らかにするために,精度の高い非経験的分子軌道法およびQM/MM法を用いた理論化学計算を行った。突然変異を引き起こす修飾塩基としてよく知られている8-オキソグアニンは,互変異性体の相対的安定性がグアニンとは大きく異なり,このことが突然変異能の一つの原因であることを明らかにした。DNA塩基の互変異性化に対する溶媒効果については,これまで系統的に調べられていなかった。そこで,様々な溶液中におけるモデル塩基の互変異性化を,赤外分光法と量子化学計算によって調べた。その結果,ピリドンやピリミジミノンおよびそれの誘導体の互変異性は溶媒の極性に大きく依存することを明らかにした。これらの結果は,DNA損傷をもたらす別の要因として,外部環境によるDNA塩基の互変異性化促進が重要であることを示している。