- 著者
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古賀 慎二
- 出版者
- 人文地理学会
- 雑誌
- 人文地理学会大会 研究発表要旨
- 巻号頁・発行日
- vol.2005, pp.2-2, 2005
2005年、京都府は『事業所・企業統計調査』を「事業所の形態」別に「業種」、「従業者規模」、「本所・支所の別」、「開設時期」、「業態」がクロスで把握できる独自集計を行った。本研究は、この『独自集計データ』を利用して、「事務所・営業所」形態の事業所を実質上の「オフィス」とみなし、景気後退期にあたる1990年代後半期における京都市のオフィス立地変化の特徴を、これまで分析できなかった業種別の変化から明らかにしたものである。1990年代の後半期は、バブル経済崩壊の影響で事業所数や従業者数が全国的に大きく減少した時期にあたる。京都市もその例に漏れず、ほとんどの業種で事業所・従業者が減少した。なかでも「繊維・衣服等卸売業」、「繊維工業」など京都を特徴づける業種での減少が著しく、その活動拠点はCBD(三条から五条の烏丸通沿道)に集約化される傾向が明らかとなった。オフィス集積地区(オフィス従業者100人/ha以上の地区)が京都市中心部(丸太町通・鴨川・JR京都線・堀川通で囲まれた地区)において全体的にコンパクト化するなか、修正ウィーバー法でオフィス集積地区の業種構成を検討すると、京都のオフィス街のいわば代名詞であった「室町繊維問屋街」は急速に縮小し、近年台頭してきた情報・専門・事業サービス業オフィスが中心部の核心地区や京都駅周辺で拡大しつつある状況が認められた。