著者
沼田 貴美子 坂本 美代子 秋吉 澄子 柴田 文 小林 康子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】「調理文化の地域性と調理科学―行事食・儀礼食―」の全国の調査概要は報告書に,九州他各支部の概要は日本調理科学会誌に掲載された。今回,熊本県で調査した通過儀礼食について詳細に分析を行ったので報告する。<br>【方法】調査対象者は,学生とその親の世代間による比較検討を行うために親子間で回答が得られた者各82名であった。学生は熊本市内の短期大学1年生,親は40~50歳代であった。通過儀礼の出産祝い,お七夜,百日祝い,初誕生,誕生日,七五三,成人式,結納,婚礼,厄払い,長寿祝い,葬儀,法事で供される食べ物の認知度や経験度などについて分析し,熊本と全国や九州各県の結果を比較検討した。<br>【結果】通過儀礼食は出産祝い・お七夜・百日祝い・初誕生の出産関連(A),誕生日・七五三・成人式の誕生関連(B),婚礼関連(C),厄払い・長寿の祝い・葬儀・法事の長寿法事関連(D)の4群に分類でき比較検討した。Aでは認知度・経験度ともに親世代が学生より有意に多く,Bでは学生・親ともに認知度・経験度が多く世代間の差は認められなかった。Cの婚礼,Dの長寿祝い,葬儀,法事の認知度は学生でも高く親世代との間に有意な差は認められなかった。通過儀礼食の食経験とその時期及び調理状況や食べ方について,親世代の食経験時期は1984~2003年が最も多く,葬儀と法事も2004年以降の食経験が多かった。A,Bでの赤飯は家庭でよく作られ,実家・親戚などで食べるも多かった。買うが多かったのは,誕生日のケーキ,七五三の千歳あめ,長寿祝い他でのもち・饅頭であった。外で食べるが多かったのは,婚礼や長寿祝いの日本料理他、葬儀や法事の精進料理であった。学生は誕生日,七五三,葬儀,法事の食経験が他項目より多かった。

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熊本における通過儀礼食の認知・経験の世代間比較 https://t.co/HZ71nrbOmJ

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