- 著者
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山中 健司
- 出版者
- 一般社団法人 経営情報学会
- 雑誌
- 経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.2008, pp.133, 2008
現在,消費者の役割が根底から変化しており,消費者がIT技術の発展により情報を持つことで受け身の立場を捨てて積極性を示し,企業,顧客同士との結びつきを強めている.そのため,Prahalad・Ramaswamyも指摘するように企業が価値を創造し消費者に提供する従来型の価値創造ではなく,企業は個々の消費者との相互作用によって価値を生み出すことが重要となっている.つまり,顧客が消費に対してより主観的価値を求めるという変化に対応することが企業の戦略的課題の一つとして挙げられる.本発表ではこのような主観的価値をとらえるために「シンクロニシティ(共時性)」というコンセプトを用いることで新しい発想を生み出す可能性を示唆する.河合隼雄が指摘するように因果関係では説明できない共時的現象に気づいたときに「現象の意味」を見出すことができ,意味を知ることによって新しい展開を生じさせることができると考える.