著者
奥山 睦
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2015年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.97-100, 2015 (Released:2015-07-31)

地域の内発的な動機付けによる活性化が求められている現在、実践共同体の存在は、知識創造によってイノベーションの契機となり、地域にとって有用な存在になると考えられる。そこで本研究では、実践共同体の特徴と本質を先行研究からレビューした上で、東京都大田区の下町ボブスレーネットワークプロジェクトの事例研究を主として、実践共同体の地域活性化における実態を把握し分析する。その上で、実践共同体が地域活性化において果たしうる役割について提言し、その妥当性を検証し、有用性を明らかにすることを目的する。
著者
鷲谷 佳宣 高野 研一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会誌 (ISSN:09187324)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.13-37, 2022-06-15 (Released:2022-06-24)
参考文献数
52

企業組織では,チームワークがチームパフォーマンス(業績,やりがい)を高めると言われている.一方,デザイナー組織では,個人の専門能力の発揮がチームパフォーマンスを高めるが,チームワークが働かずにチームパフォーマンスを阻害する事態が見られる.そこで本研究では,チームワークの先行要因がチームワークを介してチームパフォーマンスに影響を及ぼす一連の関係を検討し,デザイナー組織を対象としたチームパフォーマンスに影響を及ぼす諸要因を解明することが目的である.方法として,デザイナー350人を対象としたアンケート調査を実施し,共分散構造分析を行った.さらに,事務職組織との比較を行った.その結果,チームパフォーマンスモデルによってデザイナー組織のチームパフォーマンスに影響を及ぼす諸要因の関係が示され,リーダーシップ,フォロワーシップに関するトレーニングによりチームパフォーマンスが向上する可能性が示唆された.
著者
潜道 隆
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2015年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.411-414, 2015 (Released:2016-01-29)

組織の情報技術活用のキーとなる業務の標準化につき、引き続き報告する。05年春季大会では、トップダウンのプロセス標準化を全社に展開する欧米企業と日本企業を概念比較した。グローバル人事制度の構築など、日本企業の方向性は欧州企業のそれに収斂しているともみられるが、トヨタなどの独自のWayを持つ会社を分析し、異なるグローバル化のモデルがあり得るか議論する。
著者
飯尾 淳 大釜 秀作
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2015年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.355-358, 2015 (Released:2016-01-29)

情報システムの開発や運用を担う人材が身につけておくべき情報リテラシー教育は,高等学校における教科「情報」がその入門編として位置付けられている.現 在,「社会と情報」および「情報の科学」の2科目あわせて13種類の教科書が存在し,それぞれの教科書では理論から演習まで多くの工夫が盛り込まれてい る.しかし,その内容は,特定のプラットフォームに強く依存したものから中立性を可能な限り配慮したものまで様々である.本研究では,現存する13冊の教 科書を網羅的に調査し,その問題点を指摘するとともに,対策について提言する.
著者
杉山 果穂 小笠原 啓介 永吉 実武
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2018年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.218-221, 2018 (Released:2018-05-31)

今日の日本国内において、コーヒーは嗜好品飲料として消費量を年々増加させている。全日本コーヒー協会 (2017)によると、日本国内の18~24歳の1人当たりのコーヒー飲用杯数は、一週間あたり5-6杯で、全年齢数の約11杯と比較すると少なく、この年代層にはコーヒーが比較的に親しまれていないのではないかと考えられる。そこで、本研究ではコーヒー飲料を含む20種類の嗜好品飲料から想起するイメージ感の相違を調査し、多次元尺度構成法を用いた認知マップを作成することにより、18~24歳の若者層が嗜好品飲料のなかでコーヒー飲料をどのように位置付けているのかを分析する。
著者
野谷 あやめ 森本 祥一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2015年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.140-143, 2015 (Released:2016-01-29)

日本の芸能産業は,『アイドル』と呼ばれる歌手や役者,タレント,モデルなどが席巻しており,独特な市場を構成している.これらのアイドルが所属している事務所の経営は,熱狂的なファンによって支えられているが,行き過ぎたファンが事件を起こすこともあり,そのマネジメントが課題となっている.よって本研究では,多くのファンを魅了し,芸能界に強い影響力を持つジャニーズ事務所をケースとして,アイドルとファンの関係を,事務所経営の視点からコミュニケーション手段ごとにリレーションシップ・マーケティングに基づいて分析し,理想的な関係について考察した.
著者
村田 潔 折戸 洋子 福田 康典
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2017年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.317-320, 2017 (Released:2017-11-30)

2013年6月からエドワード・スノーデンとその協力者によって行われた,米国の情報機関NSAによる無差別大量監視に関する内部告発が社会に与えた影響について,筆者らは2014年10月~11月に, 日本を含む8か国における,大学生を対象としたアンケート調査ならびに聞取り調査を行った。この国際比較研究の結果,「国家による監視」に対する社会的態度において,日本は調査を行った国の中で特異な存在であることが明らかになった。本研究報告ではこの調査結果に基づき,高度情報化が進む日本社会における「国家による監視」に対する人々の態度の特徴を示し,それがプライバシー保護や個人の自由と自律,民主主義のあり方などに対して持つ意味を明らかにする。
著者
沢 恒雄
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2008年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.19, 2008 (Released:2009-01-07)

21世紀は、人類の存亡を賭けたトリレンマの緩解を前提とする。その政策は、人類・生物温存と言語・文化温存の2大モデルを具現化した社会システムの実現による。GMAISは、2大モデルの実現を可能にする思想・科学技術的な先人の遺産を背景にした情報システムである。今回の発表は、安心・安全をキーワードとする社会システムとして哲学的、社会的、科学技術的な先人の遺産を有効に活用しあるべき姿としてのデペンダビリティを織り込んだ情報システム(GMAIS)を考察した。
著者
宿岡 愛 大江 秋津
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2018年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.242-245, 2018 (Released:2018-05-31)

江戸時代の藩校は、教育機関の枠を超えて財政再建等のイノベーションを期待された。これを支えるものに、藩校が教える学問の所属学派で形成された外部知識ネットワークがある。本研究は、藩を出て学問や武芸を学ぶ遊学や藩主交代が、藩の地理的要因により、外部知識ネットワークを通じた効率的な知識獲得方法に与える影響が異なることを実証する。分析では、1736年から1835年の10期のパネルデータを用いて、統計分析と空間特性を考慮できる地理空間加重回帰分析の双方を行った。その結果、地理的要因により外部知識ネットワークにおける知識を効率的に獲得可能なポジショニングに正負の影響を与え、時代により変化することも実証した。
著者
山口 麻希 西崎 雅仁
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2010年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.38, 2010 (Released:2010-11-15)

以前は日本文化といえば歌舞伎や相撲といった伝統文化であったが、現在、マンガやアニメといったオタク文化は世界に誇れる数少ない日本の文化であると同時に経済価値が存在する。工場が海外移転し、技術力が国外に流出している中でこういったオタク文化の今後は、日本経済を支える重要なコンテンツであることは明白である。 そして、その人気や経済的効果は国内に留まらず世界中に広まっている。しかし近年、その人気とは裏腹にアニメ等の売り上げが低下してきている。その原因としては、不況や各国の事情、インターネット上の違法配信サイトの台頭など様々なものが挙げられる。そこで、日本国内の状況と海外の状況を比較し、オタク文化の資産価値に焦点を当て、その経済的価値を経営学視点から考察する。
著者
星田 昌紀
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2014年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.169-172, 2014 (Released:2015-01-30)

ペルソナ・マーケティングは米国で提唱され、日本でも事例が増加しつつある。ただ現在、その大半は大企業における組織的な取り組みであり、大規模データ分析、高額予算、複数のチームを含む事例がほとんどである。しかし一方、販売者・購買者の双方が個人である場合にも、ブログを用いてペルソナ・マーケティングの実施が可能であることが、筆者の研究で明らかになっており、この手法を「ブログ・ペルソナ・マーケティング」と名付けている。本研究ではブログ・ペルソナ・マーケティングの購買意思決定段階を詳細に考察し、特に購買後の段階も含む「購買意思決定モデル」を精緻化する。
著者
長田 拓也 生田目 崇
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2015年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.204-207, 2015 (Released:2016-01-29)

購買の意思決定をサポートする仕組みとしてレコメンドシステムがある.しかし,既存のレコメンド手法は意思決定を単純化しており,現代の情報化社会により複雑化した消費者の意思決定を捉えきれていない.そこで,複雑化した消費者の意思決定を考慮したレコメンドを行う必要がある.一方,ここ数年,Deep Learningというアルゴリズムが画像認識や音声認識の分野で成果を挙げている.このDeep Learningを用いることで,複雑化した消費者の意思決定を考慮したレコメンドを行えることが期待できる.本研究では,Deep Learningを用いたレコメンドアルゴリズムを構築し,その性能を評価する.
著者
小串 一貴 大江 秋津
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2016年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.83-86, 2016 (Released:2016-11-30)

江戸時代の遊学とは、他藩に出て学問や武芸などを学ぶことである。本研究は、藩士の子弟教育のための藩校のエゴネットワーク形成に遊学が与える影響を実証する。1736年から1835年に渡る10期のパネルデータを利用して、藩校の学問領域をもとに藩の各期のネットワーク分析を行った。さらにエゴネットワークの指標を用いた統計分析も行った。その結果、藩校設立年は古いほど藩のエゴネットワーク形成に負の影響を与えるが、遊学に積極的な藩では促進された。これにより、組織が古くなることによる環境適応能力の低下がエゴネットワークの縮小に影響するが、知識探索に熱心な組織はエゴネットワークが拡大することが示唆された。
著者
植草 隼 飯沼 守彦 柴 直樹 大江 秋津
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2018年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.148-151, 2018 (Released:2018-12-25)

日本映画は、リスク分散や製作費確保のために製作委員会方式を採用している。本研究は、個々の映画を発明、高い興行収入をあげた映画をイノベーションと考え、製作委員会は映画を普及させてイノベーションを起こす実務家コミュニティとした。本稿は、日本の映画産業における実務家コミュニティのネットワークポジショニングが、当該映画の海外でのパフォーマンスに与える影響を実証する。分析は、2010年から2012年の日本映画のデータを用いて、ネットワーク分析と多変量解析を行なった。その結果、ネットワーク上で異なるグループをつなげるポジションを持つ製作委員会が出資する映画は、海外で高いパフォーマンスを示すことを実証した。
著者
奥山 睦 高橋 和勧 村瀬 博昭 前野 隆司
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2017年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.237-240, 2017 (Released:2017-05-31)

近年、映画による地域活性化が注目を浴びている。主たる議論としては、交流人口拡大のための観光領域、地域アイデンティティー形成のためのコミュニティ領域に集約されることが多い。 映画『未来シャッター』は、中小地域間連携による産官学金、市民の協力により、大田区を拠点とするNPO法人ワップフィルムが企画・製作した。本作は、従来型の地域映画と異なり、鑑賞後の対話を通して、鑑賞者、主催者、制作者、出演者等が各々の立場を越境し、新たなアクションへ繋げていっている。本研究は、本作の構造を明らかにし、協創力を創発して価値の再創造を行うためのファクターを洗い出し、複雑・大規模化する社会課題解決の新たな一方策を提示する。
著者
根本 忠明
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2011年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.22, 2011 (Released:2011-12-01)

世界のAV界のトップに君臨してきたソニーが、パソコン・メーカーのアップルにその座を奪われてしまった。この逆転は、20世紀から21世紀への大きな転換期において、両社のもの作りのパラダイムシフトの成否にあるといってよい。簡単に言えば、「良いものを安く」、「プロシューマーを見方にする」、「ウェブ2.0を利用する」の3点である。 本研究は、もの作りのパラダイムシフトを不可避とした経済的・技術的環境の革新を整理し、この革新への両社の具体的な対応を比較検証することによって、両社の明暗を分けた理由を明らかにしようとするものである。
著者
奥山 睦 高橋 和勧 村瀬 博昭 前野 隆司
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.237-240, 2017

近年、映画による地域活性化が注目を浴びている。主たる議論としては、交流人口拡大のための観光領域、地域アイデンティティー形成のためのコミュニティ領域に集約されることが多い。 <br> 映画『未来シャッター』は、中小地域間連携による産官学金、市民の協力により、大田区を拠点とするNPO法人ワップフィルムが企画・製作した。本作は、従来型の地域映画と異なり、鑑賞後の対話を通して、鑑賞者、主催者、制作者、出演者等が各々の立場を越境し、新たなアクションへ繋げていっている。本研究は、本作の構造を明らかにし、協創力を創発して価値の再創造を行うためのファクターを洗い出し、複雑・大規模化する社会課題解決の新たな一方策を提示する。
著者
西口 浩司 森田 裕之
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2016年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.71-74, 2016 (Released:2016-11-30)

競争の激化する総合通信販売企業で顧客の離反防止要因を特定することと、それを解決するアクションプランを策定することは、この業界にとって生死を分ける重要なポイントである。その際、データマイニングにおいて必要な点は、顧客の購買状況から企業戦略上、注力すべきクラスターを識別し、特定の顧客クラスターの行動を予測することと、その予測要因を明確化することである。その実現のために、ロジスティック回帰モデル、決定木モデル、そしてK近傍法を組み合わせたアンサンブルアルゴリズムを提案し、頑強で、可読性のある手法を適用する。実験結果では、ベンチマーク問題と、実データに対して適用し、手法が有用であることを示す。
著者
木村 誠
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2009年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.20, 2009 (Released:2009-11-14)

本研究は、検索的な長期間の事例研究を行うことから、原作となるコンテンツのシリーズ化、すなわち複数回のバージョンアップの際の販売促進策の推移についての発見事実を整理し、コンテンツビジネス一般に通じる仮説の導出を試みる。 具体的には、我が国の代表的なコンテンツビジネスである「ポケットモンスター」の関連ビジネス(ポケモンビジネス)に焦点に当て、10年間に渡るコンテンツのバージョンアップに焦点を当てた事例分析を行う。この長期的な事例分析を通じて、原作コンテンツとその派生コンテンツの間の疑似相補性の誘導の変化パターンを整理し、疑似相補性の誘導レベルの3段階を抽出した。 本研究の主張は、原作コンテンツと派生コンテンツのバージョンアップ情報の共有から可能となる、コンテンツ間の疑似相補性の誘導レベルを向上させることがコンテンツビジネスの成功の要因の1つになり得るということである。
著者
最上 雄太
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会誌 (ISSN:09187324)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1-11, 2022-06-15 (Released:2022-06-24)
参考文献数
35

本論文の目的は,K. J. Gergenが提唱する社会構成主義(social constructionism)の立場および考え方に依拠したリーダーシップ研究である「関係アプローチ」を批判的に検討し理論的課題を指摘することにある.本論文では,従来的なリーダー中心アプローチに指摘される還元主義的な見方に依拠する方法論的限界を乗り越える立場として,関係アプローチの理論的課題を議論した.関係アプローチには,社会的プロセスを捉えるための研究方法論的な議論が不足しているという理論的課題がある.この理論的課題を解決する研究方法論として,関係アプローチと同じ社会構成主義の理論的前提を共有する組織ディスコース研究に着目し方法論としての可能性を探索した.