- 著者
-
深田 淳太郎
- 出版者
- 日本文化人類学会
- 雑誌
- 日本文化人類学会研究大会発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.2010, pp.90, 2010
トーライ人は貝殻貨幣タブを、モノの売買、婚資の支払など多様な用途で使う。だが、タブがロロイという形態になると、彼らはそれを使えなくなる。モノも買えず、婚資も支払えない。ロロイはただ持ち続けるだけの貨幣である。トーライ人は勤勉・倹約に努め、その使えない貨幣を大きくすることに力を尽くし、そして、それを使わないままに死んでいく。本発表ではこの使えない貨幣とトーライ人の一生涯の関係について考察する。