著者
内山 和久
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.35-44, 1992

従来より肝内結石はビリルビンカルシウム石(以下ビリルビン石)とされてきたが, 今回胆嚢結石43個(コレステロール石16個, ビリルビン石16個, 黒色石11個)を対象とし, 肝内結石症25個をその構成成分から分類した. 分析は, 1.赤外線分光分析による胆石成分の分析, 2.胆嚢胆管胆汁における胆汁酸分析, 3.胆石に含まれる胆汁酸濃度およびその分画, 4.胆石内の無機元素濃度の4項目について行い, これらを多変量解析した.その結果, 肝内結石は黒色石に類似するもの(I型), ビリルビン石(II型), コレステロール石に近いもの(III型)の3種に分類され, 肝内結石に含有されるコレステロール成分により, 20%以下のものをI型, 21から40%のものはII型, 41%以上のものをIII型にすればよいことが判明した.臨床的にII型は他に比べて疼痛, 発熱, 黄疸などが強く, 肝内胆管の拡張・狭窄ともに存在する例が多いなど, それぞれの型別に臨床的特徴が認められた.

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