著者
小杉 浩史
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.279-288, 2015

初発未治療多発性骨髄腫患者に対する大量化学療法併用自家造血幹細胞移植療法は,4つのメタアナリシスおよび系統的レビューにより,通常量化学療法に比較して,無増悪・無再発生存率に優れるが,全生存率での優位性は認められていない。IMIDsやプロテアゾーム阻害剤等の新規薬剤を含んだ場合の成績については,まだ第III相試験の報告が少なく,現時点で評価は確立していない。自家移植後の維持療法の意義については,ガイドラインでその評価がわかれるが,多くのガイドラインでは,少なくともCR未達成の場合の維持療法については,複数の第III相試験の結果から推奨している一方,日本血液学会のガイドラインは慎重姿勢であることにも留意が必要である。

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