著者
徳田 安春
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.299-300, 2010

医師不足の解消には医師数の増加のみでは解決できません. 守備範囲の広い「イチロー型医師」である病院総合医の養成が必須です. 1発ホームランを狙う選手は, 野球でもスタメンのうち1~2人 (4番と5番打者) で十分です. 効率よく得点を重ねるためには, 「走ってよし, 打ってよし, 守ってよし」の三拍子揃った, フットワークの軽い「イチロー」が必要なのです. 地域医療では, トップバッターとしてのER医の診療のあと, 打順2~3番の病院総合医にまかせ, 必要 (適応) に応じて, 4番打者へ特殊な治療介入を依頼すればよいのです. 学会のならず, 行政やマスメディアも, 地域医療を実践できる病院総合医として活躍している「イチロー型医師」に十分なサポートを与えてくれることを期待します. <br>現在, 全国には約27万人もの医師がおります. その1人ひとりが, 僅かでも守備範囲を広げることによっても, 全体として大きな効果を期待することができます. 臓器専門医も, 守備範囲を広げるような生涯学習によって, 基本的な疾患に対する初期対応を行うことを期待します.

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