著者
三田村 秀雄
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.135-141, 2013

心房細動(AF)治療の薬理学的ターゲットはいまだに不明瞭で,しかも変化するため,既存の抗不整脈薬の効果は十分とはいえない.それでも,孤立性発作性AFに対してはレート治療よりもリズム治療が有効で,特にNa<SUP>+</SUP>チャネル遮断薬が奏功することは確認されている.発作時に自身で止めるためのpill-in-the-pocket(頓服)療法も,一定の注意を払えば有用である.持続性AFのリズム治療は心房筋のリモデリングのために困難であるが,様々な工夫が試みられている.除細動後に洞調律が長く続くほどリモデリングからの回復が進むため,その期間だけ抗不整脈薬で時間稼ぎをしたり,再発時に抗不整脈薬を早期に投与することによって,抵抗性のAFを停止できる場合がある.また,アミオダロンやベプリジルなどには,薬理学的に電気的リモデリングを逆転させる作用があることも認められている.最近では,デバイスやアブレーションなど非薬物治療の効果を補助するために,抗不整脈薬が併用されることもある.

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