- 著者
-
内山 成人
- 出版者
- 日本食品科学工学会
- 雑誌
- 日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
- 巻号頁・発行日
- vol.62, no.7, pp.356-363, 2015
- 被引用文献数
-
5
日本人女性の平均寿命は86.4歳(2012年)と世界一であるが,介護なしで過ごせる健康年齢は73.6歳と12.8年の差があり,いかに健康年齢を維持するかが問題である。一方,女性の閉経年齢は50歳前後であり,閉経後のQOLが健康年齢にとって重要になってくることは言うもでもない。これまで大豆イソフラボンの女性ホルモン様作用(エストロゲン様作用)が着目され,種々の研究結果が報告されてきたが,その結果が一致していないため,十分なエビデンスがないと結論付けられているのが現状である。そこで,2002年にセッチュルらは大豆イソフラボンの活性本体が代謝物のエクオールではないかとの仮説,つまり"エクオール仮説"を提唱し,エクオールが着目されるようになった。最近我々は,エクオールを直接摂取可能な食品(SE5-OH)を開発したので,その開発背景と有用性について紹介する。