著者
内山 雄介 多田 拓晃
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_211-I_216, 2015

海面気圧による吸い上げ効果およびバルク法熱収支スキームを組み込んだJCOPE2-ROMSダウンスケーリング領域海洋モデルを構築し,我が国に上陸し甚大な土砂災害等をもたらした2014年台風18号,19号を対象とした広域高解像度再解析を行った.海上風,海面気圧,海面フラックスには,台風を含む詳細な気象場を高精度で表現可能な気象庁GPV-MSM再解析値を与えた.観測水位との比較を通じて本モデルが高潮偏差をより正確に再現できることを確認したのち,周防灘および沖縄本島における高潮偏差発生機構の差異について検討した.さらに,台風接近・通過に伴う広域海洋応答について調査し,瀬戸内海の海水流動構造が短期的に大きく変化することを示すとともに,外洋における鉛直混合の強化とそれに伴う水温低下の発生,台風経路との相対的な位置と慣性共鳴との関係などについて評価した.

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