著者
林 紘一郎
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.1-11, 2015

「情報法」に関連する議論は、ほとんど有体物の法体系の延長線上でなされているが、情報には有体物とは異なる特性があり、新たな発想での対応が必要である。また、この分野には次々と新しい事象が現れるため、情報法の関係者は個別判断を迫られ、何を基準にして判断したら良いかという議論が熟していない。通常の法学は、総論と各論に分けて論ずることが多いが、未だ発展途上にある「情報法」では、総論の前に「一般理論」を検討する必要がある。<br>本稿では、無体財である情報について、「占有」や「所有」を観念することができないなどの特徴を、主として法解釈の面から挙げ、インターネット・ガバナンスにも関連させつつ、法政策的にも「一般理論」の探求が不可欠であることなど、5 項目の必要性を主張する。さらに、今後検討すべきテーマとして合計 10 の命題を摘出し、これらの考察を進めることが、私自身も含めて今後の研究の指針となることを期待する。

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こんな論文どうですか? 情報法の一般理論はなぜ必要か:5つの理由と検討すべき10の命題(林 紘一郎),2015 https://t.co/oJX4FGLTKz 「情報法」に関連する議論は、ほとんど有体物の法体系の延長線上でなされているが、情報には有…

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