著者
伊藤 美智子 白井 麻子
出版者
公益社団法人 日本女子体育連盟
雑誌
日本女子体育連盟学術研究 (ISSN:18820980)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.19-33, 2015

本研究は,体育系大学生265名に知的障害者(ダウン症者6名,自閉症者1名,知的障害を伴う肢体不自由者1名)とその母親,弟妹をメンバーとするダンスグループの公演を客席で鑑賞させて,どのようなことを享受したのかを3種類のアンケートを実施して明らかにした。その結果,下記のような事が明らかになった。①作品の特徴を的確に捉えていた。②律動性に溢れた公演であったという印象を強くもっていた。女子の方が高い評価をする傾向があった。③自由記述による感想は,『感情』 『ダンス・作品』 『経験』 の3つの上位カテゴリーにまとめられ,その下位カテゴリーとして 『感情』 〈楽しい〉〈ヒーリング〉〈陶酔感〉,『ダンス・作品』〈表現性〉〈一体感〉,『経験』〈新奇性〉〈勉強になった〉〈今後に活かす〉にまとめられた。対象者が享受したものは,①ダンスそのものの学習,②ダンスを通じた特別な教育的支援を必要とする生徒への支援者・指導者としての学習,③社会における障害者の活動に関する理解についての学習に大別できた。また,ダンス教育における鑑賞学習の教育的意義について示唆を得ることができた。

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