著者
津田 恭充
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.101-109, 2011

人は不確実な対人状況におかれたとき,不確実性を低減させるための情報収集が動機づけられる。このとき,他の人から本心を聞き出すスキルが低いと十分な情報収集ができず,不足した情報を補完するための反すうが生じる。そして,それが関係妄想的認知につながることが先行研究により明らかにされている。しかし,他の人の本心を知るための方略は実際には数多く,それらの方略ごとの効果の違いは明らかにされていない。そこで,本研究では,どのような情報収集行動をどの程度とるのかを測定する情報収集スタイル尺度を開発した。探索的および検証的因子分析の結果,尺度は"当事者とのコミュニケーション""当事者の観察""他の人の意見""メディアの活用"の4因子で構成されることがわかった。次に,反すうを媒介した情報収集行動と関係妄想的認知の関連を調べるためにパス解析を行った。その結果,"当事者とのコミュニケーション"は反すうとの間に負の関連を,他の3つの情報収集行動は反すうとの間に正の関連を示した。反すうは関係妄想的認知と正の関連を示していた。反すうに対する情報収集行動の対照的な影響を説明するため,情報価について考察がなされた。

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