著者
野田 弘
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.23, no.12, pp.1062-1072, 1981

昨年9月1日の「防災の日」に,東海地方および関東地方を中心として,2回目の大規模な地震防災訓練が行われた。行政の防災担当機関,報道機関,交通機関,事業所,市民など極めて多くの人達の参加がみられ,一昨年をはるかに上回る規模のものであった。これは,石橋克彦氏(昭和51年)により,「東海地方に,近い将来,大地震が発生しても不思議ではない」という学説が発表されて以来,特に地震防災に関して対策が講じられ始めたものの一環であり,今後もますます大規模かつきめの細かなものになっていくものと考えられる。このような地震対策は,市民,事業所等々の安全を主眼としたものであるが,一方,地震に関する情報と市民の反応との間には,極めて大きなギャップが生じることが懸念される。ここでは,この情報を発する側の真意と市民の受け取り方について,また,この情報を伝達する者の役割について考察する。

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