著者
藤原 敬 鈴木 春彦 速水 亨
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.127, 2016

森林管理の義務と支援を直接対象とした国際約束をめざした国際森林条約の不調を背景に、市場を通じたアプローチが、国際的な持続可能な森林管理達成の一つの方向性を示すものとなった。第三者認証による「森林認証システム」、行政の森林法の手続きをベースとする「合法性証明システム」など、である。これらのシステムは日本市場で一定の役割を果たしているが、コスト効率性と信頼性を巡り議論がある。効率的で信頼性のあるシステムを構築する視点で、両者のシステムを、分析・評価する。森林経営の評価手続きを、①FSCの森林認証要求事項と、②森林法の森林経営計画の認定要求事項を比較検討すると、後者は運用実態として、生物多様性保全・労働安全分野・事業者への注意義務などの面で不足している面が多い。ただし、森林経営計画の記載様式は柔軟にできており、実質的な認定の基準となっている市町村森林整備計画との連携で、持続可能な森林管理のツールとしてさらに発展する可能性をもっている。森林経営計画とセットになった合法証明システムのサプライチェーン管理の効率性・信頼性の評価と合わせて、さらなる検討が必要。

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