- 著者
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菊島 良介
中嶋 晋作
- 出版者
- 農村計画学会
- 雑誌
- 農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, pp.267-272, 2015
本稿のオリジナリティとして,以下の2点を挙げることができる。第1に,GIS(地理情報システム)などの工学的ツールを駆使して,正確なフィールド地理情報を把握・整理している点である。国営かんがい排水事業の属性と農業センサスから得られた集落(旧市町村)の農業属性を結合したリレーショナル・データベースの構築は,農政実務上も有効なデータセットの構築という意義をあわせ持つ。第2に,構築したデータベースを空間計量経済学の手法によって解析している点である。近年,空間計量経済学の手法が次々と開発・改良され,普及・応用の段階に至っている。地理的に正確なデータを空間計量経済学的手法で解析することで数値計算をシステマティックに行うことが可能となる。