著者
菊島 良介 中嶋 晋作
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.267-272, 2015

This paper aims to evaluate the local economic impact of the irrigation and drainage project in Tohoku and Hokuriku regions. Considering spatial autocorrelation between communities, Spatial Durbin Model is applied to the community-level data from the Rural Community Card, World Census of Agriculture and Forestry. The findings of this paper suggest that the irrigation and drainage project have impacted rural communities by increasing the ratio of area rent-in, and decreasing the ratio of ratio of farming household whose area of cultivated land is 2 hectares and over in the community.
著者
山下 良平 中嶋 晋作
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.I_245-I_251, 2017 (Released:2017-12-06)
参考文献数
5

本研究では, 米生産の管理作業に付随する日常的な圃場巡回時間に関するシミュレーションを行う.今後も農地貸借による集積が進むと考えられる場合, 圃場の場所によっては圃場間移動時間による作業ロスが増す可能性があり, 経営計画を策定するうえで十分検討する必要がある.そこで, 担い手として農地集積の期待がかかる経営体を事例として, 段階的な経営拡大シナリオの下で, 最適な圃場巡回を行った場合の総移動距離と総移動時間の増加傾向を読み解く.シミュレーションの結果, ランダムに農地集積した場合には, 新規借入農地数に連動して増加する総移動距離の増加傾向は逓減する一方, 本シミュレーションの条件下では総移動時間は異なった増加パターンを示すことが明らかとなった.基礎的な分析であるが, 将来的な農地集積が進展した際に予想される状況に関する有用な知見が得られた.
著者
菊島 良介 中嶋 晋作
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.267-272, 2015

本稿のオリジナリティとして,以下の2点を挙げることができる。第1に,GIS(地理情報システム)などの工学的ツールを駆使して,正確なフィールド地理情報を把握・整理している点である。国営かんがい排水事業の属性と農業センサスから得られた集落(旧市町村)の農業属性を結合したリレーショナル・データベースの構築は,農政実務上も有効なデータセットの構築という意義をあわせ持つ。第2に,構築したデータベースを空間計量経済学の手法によって解析している点である。近年,空間計量経済学の手法が次々と開発・改良され,普及・応用の段階に至っている。地理的に正確なデータを空間計量経済学的手法で解析することで数値計算をシステマティックに行うことが可能となる。
著者
有本 寛 中嶋 晋作 富田 康治
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.193-206, 2014

本稿は,区画交換による農地の団地化がどの程度可能かを,シミュレーションによって検証する.まず,現在一部の農家で行われている個別・分権的な相対交換では,自発的な交換に必要な「欲求の二重一致」が少なすぎるため,団地化の進展が困難であることを示す.次に,Shapleyらのtop trading cycleアルゴリズムを援用し,複数の農家が区画を一斉交換する集団・集権的な方法を提案する.これは,「欲求の二重一致」の制約を緩和するため,個別・分権的な交換に比べて倍以上の集団化率を実現できた.また,より多くの農家が交換に参加するほど,集団化率も劇的に高まった.多くの農家の参加を募り,集団・集権的な配分を行うことが農地の団地化にあたって有効である.
著者
有本 寛 中嶋 晋作 富田 康治
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.193-206, 2014

本稿は,区画交換による農地の団地化がどの程度可能かを,シミュレーションによって検証する.まず,現在一部の農家で行われている個別・分権的な相対交換では,自発的な交換に必要な「欲求の二重一致」が少なすぎるため,団地化の進展が困難であることを示す.次に,Shapleyらのtop trading cycleアルゴリズムを援用し,複数の農家が区画を一斉交換する集団・集権的な方法を提案する.これは,「欲求の二重一致」の制約を緩和するため,個別・分権的な交換に比べて倍以上の集団化率を実現できた.また,より多くの農家が交換に参加するほど,集団化率も劇的に高まった.多くの農家の参加を募り,集団・集権的な配分を行うことが農地の団地化にあたって有効である.