著者
岩原 真代
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.46-55, 2011

<p>京極邸再興の意義を住環境の表現から検証する。仲忠は通常、為政者達の政治的バランスを保つ仲媒者として働き、他者のために「しつらふ」ことで整備調整を図る。これは、京極邸再興の賛意を取り付ける社会的環境や土壌を築くために不可欠であり、秘琴伝授が持つ公共性をも浮き彫りにする。また、宮邸としての京極邸の住環境整備は、いぬ宮の系譜を皇統との接点まで遡及・回帰させた上で、現皇統との融和を祈念するという、俊蔭一族の志向性を示している。</p>

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