- 著者
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中山 良男
- 出版者
- 安全工学会
- 雑誌
- 安全工学 (ISSN:05704480)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.6, pp.427-434, 2016
<p>火薬,爆薬そして手製爆薬による爆発物テロを想定し,最も脅威となる爆風と爆発飛散物の威力について概説する.最初に,爆発物テロの現状を紹介し,続いて爆発反応の形態に爆燃と爆轟の2 種類があり,爆発の威力が大きく変化することを解説する.次に,TNT 爆発による爆風のピーク静水過圧と正圧相インパルスの距離減衰特性を説明する.TNT 以外の爆発物の爆風威力はTNT 換算薬量で示されるので,その算出方法を解説し,あわせて代表的な爆発物のTNT 換算薬量率を紹介する.爆発飛散物については,金属容器に詰められた爆薬から発生する爆発破片の初速度の評価式を解説する.爆発による人体損傷は一次から四次の爆傷に分類されること,およびそれらの損傷レベルについて紹介する.最後に,テロ時の避難距離と火薬類取締法による各種保安物件までの安全距離などを比較する.</p>