- 著者
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菅野 友美
青木 里奈
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.68, 2016
<b>目的</b> 近年,児童の多くが野菜を苦手に感じており,野菜離れが進んでいる.本研究では,児童の野菜への苦手意識を減し,積極的に野菜を摂取することを目的として,野菜の苦手意識の要因をマスキングする調理法を検討した.そして食育教室を実施して親子で野菜を用いた菓子を製作・試食し,野菜の認知と苦手意識について調査した.<br><b>方法</b> 苦手意識の強い野菜を試料とし,蒸す,炒めるなどの調理後,順位法を用いて官能検査した.野菜の苦手意識要因のマスキング効果があった野菜ペーストを用いてクッキーを開発した.食育教室で,3種類の野菜ペーストを使ったクッキーを作製した.対象は4~11歳の児童9名とその保護者6名である.作製・試食後,野菜の苦手意識に関するアンケートを行った.調査は質問紙方で行い,回答は無記名・自記式とした.<br><b>結果</b> 野菜を砂糖などの調味料と一緒に調理することで野菜の苦味をマスキングすることができた。また一度冷凍し、凍結のままペースト状にして加熱することで野菜の香りや食感を改善することができた。そこで3種類の野菜を凍結後ペーストにし、砂糖で煮詰めた野菜ペーストを用いて親子でクッキーを作製した。クッキーに入っている野菜の種類をあててもらったところ,正解率の平均は22%であり,児童は苦手な野菜も摂取していたことから,苦手意識を克服できたといえた。また親子で作製するというコミュニケーションも苦手意識の克服に必要であることがわかった