著者
村上 恵
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.120-128, 2015 (Released:2015-03-07)
参考文献数
15

本研究では,ゆで水に添加するNaCl の濃度を0%,0.2%,1%,2%に変化させて4種類のスパゲティをゆで,NaCl の硬さへの影響を検討した. ゆでスパゲティの破断応力は,0% NaClと比較して2% NaClで高くなる傾向を示したことから,2%のNaCl添加によりスパゲティは硬く茹で上がると考えられた.ゆでスパゲティの水分含量も2% NaClで減少し,スパゲティの染色実験においても,2% NaClによりゆで後スパゲティの未染色部の割合が増加していたことから,スパゲティへの水分吸収の遅れや水分含量の減少がスパゲティを硬くする要因として関与していると考えられた. さらに,グルテンをNaClを添加したゆで水でゆでたところ,20% NaClでグルテンの水分含量は有意に低値を示したが,2%以下のNaCl添加では水分含量に有意な差はみられなかった. 以上の結果より,ゆで水に通常使用する1%のNaCl 添加では,スパゲティの硬さには影響しないことがわかった.また,2% NaCl添加でスパゲティは硬くなる傾向を示したが,それはグルテンのNaClによる収斂作用以外の他の要因が関与していると考えられた.
著者
河村 知恵 田村 咲江 肥後 慶三
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.941-949, 1993-11-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
15
被引用文献数
2 or 1

野菜の妙め調理における火力の相違が軟化に及ぼす影響をしらべ, さらに軟化の機構を解明することを目的として, ニンジン根部の師部柔組織の硬さと組織形態の変化を調べた.(1) 妙め処理後の重量減少率は火力が大で, 妙め時間が長いものほど大であった.破断応力の解析では, 妙め時間で比較すると火力Bで妙めた方が早く軟化した.しかしガス消費エネルギー当たりでは大差はなかった.破断エネルギーは, 妙め処理当初で生よりも大となったが, 妙め時間の経過とともに低下し, 火力Aよりも火力Bで妙めたもので早く低下した.貫入総エネルギー量は, 火力Bの方が早く低下した.(2) 140,160,180及び200℃のホットプレート上での片面連続加熱では, 温度が高いほど早く, また加熱時間が長いほど顕著に軟化した.ホットプレートの温度設定の相違と軟化の程度の関係は, 妙めものの場合の火力の相違と軟化の状態に類似した傾向を示した.(3) 顕微鏡による柔組織の観察結果では, 火力Aよりも火力Bで妙めた試料の方が組織の形態変化が顕著であった.火力Aでは6分間妙めた場合も, 表面部に水分の緩慢な蒸発による細胞の萎縮が生じるのみで, 内部は煮熟した場合のような様相を呈していた.火力Bで妙めたものでは, 高温加熱による急速な水分の移動のために, より短時間にニンジン片の深部にまで組織の萎縮が及んでいることがわかった.火力Bで3分間妙めたものでは, 急激な水分蒸発が生じるため, 表面部の細胞が偏平化して膜様構造を形成し, その内側に巨大な空隙が生じていた.200℃で片面連続加熱した試料においても時間の経過とともにこの現象が顕著に認められた.このことから, 火力の相違は妙めニンジンの軟化に要する時間に関係するばかりでなく, 表面構造に差異をもたらすことがわかった.
著者
中谷 博美 後藤 景子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.637-643, 2013 (Released:2014-10-23)
参考文献数
23

Detergency of textiles by low-water laundering was assessed with a drum-type washing machine called a Wascator. An artificially soiled cotton fabric (Sentaku Kagaku Kyoukai) and three mechanical action fabrics (WAT cloth, Poka-Dot®306 and MA test piece) were attached to cotton ( 920×920 mm2 ) and polyester ( 200×200 mm2 ) load ballasts and then washed in aqueous alkaline detergent solution with a different bath ratio. The washing procedures used were normal, gentle and hand wash in accordance with ISO 6330. At the extremely low bath ratio of 1:3, both detergency, D, and the mechanical action value, ΔL*, decreased for all washing procedures. The magnitude and the deviation of D and ΔL* were dependent on the load ballasts used, indicating that soil removal was prevented and that uneven washing was promoted for large clothes. The relation between D and ΔL* for all experimental data was plotted on almost the same line in the high ΔL* region. In the low ΔL* region, the relation was dependent on the bath ratio, i.e. detergent bulk concentration. For low-water laundering, it was suggested that the detergency performance decreased as a result of the reductions of the mechanical action and detergent bulk concentration.
著者
柴田 優子 布施谷 節子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.297-307, 2014 (Released:2015-01-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1 or 0

Our goal is to identify clothing designs and safer and easier movement patterns for self-dressing. Twenty-four young women were asked to put on and take off pants of 3 different styles (straight leg pants, wide leg pants, and slim leg pants) using the following four support postures: standing with no support, leaning against a wall, sitting on a chair such that the feet do not touch the floor, and sitting on a chair with the feet touching the floor. We examined differences in body sway movements.   Putting on and taking off pants while standing forced the subject to stand on one leg while inserting the other leg into the pants and removing it, which caused the subject to lean considerably in the opposite direction to the leg being lifted. This step was considered to be the cause of swaying among elderly women when they put on and take off pants. This sideways swaying can be significantly decreased by having the subject sit during dressing, regardless of the height of the chair. In addition, swaying movements were greater for dressing in the standing position for slim leg pants than they were for the other styles due to the greater forward inclination that was required.
著者
蟻川 トモ子 大島 さゆり
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.635-640, 1995-07-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
15

梅酒の熟成中における糖, 酸度, pH, 色調の変化について, 30℃および常温保存の試料を, 原料混合から1年にわたって追跡し, つぎの結果を得た.1) 漬け込み後4日目くらいまでは固体のショ糖の溶解のみが起こって全糖度が増加するが, ショ糖の転化は起こらない.2) ショ糖の転化は4日後ころから起こり, 10~90日くらいまでは急激に, 以後は徐々に進行してほぼ200日後に完了する.3) 全酸度は30℃および常温保存試料について, 漬け込み直後6.1および4.4であったものが30日後まで急増してそれぞれ20.0および19.6となり以後徐徐に増加して365日目にはそれぞれ25.4, 21.6となった.4) pHは最初3.2くらいで4日目には3.0に下がり, 以後熟成中あまり変化は認められなかった.5) 色調の変化は日数の経過とともにほぼ直線的に着色が進行した.これは糖の褐変が関与しているものと考えられる.以上の結果にもとついて梅酒熟成中の成分変化について考察した.
著者
藤原 ひとみ 中山 徹
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.361-371, 2014 (Released:2015-01-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1 or 1

Housing modification is an effective means for elderly and disabled people to continue living in their home. However, it is difficult for renters to modify rental housing in Japan. Sometimes housing modification by the renter is referred to a judicial court.   The purpose of this study is to collect and analyze information about housing modifications that have been done in rented houses. Forty-eight such cases were investigated. The following results were obtained. In 42 cases, contract cancellation was contested for the reason of housing modification by the renter. In 6 cases, the cost related to modification was contested. The contracts of 20 of the 42 cases where housing modifications had been carried out were rescinded, while those of the other 22 were not. Renters were not required to give up their lease if the following conditions were met: 1) the modification work did not affect the structure of the building; 2) the modifications met social demands; 3) the modifications restored the house to its original condition; 4) the value of the housing unit had increased and it was possible to restore the unit to its original condition.   It was concluded that modifications could be carried out without the authorization of the lessor if these four conditions were met.
著者
小野寺 裕美 川瀬 豊 川端 博子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
巻号頁・発行日
pp.26-26, 2007 (Released:2008-02-26)

(目的)日本女性への普及率がほぼ100%であるブラジャーは、多くの小パーツから構成される繊細なものであるが、一般にどのように取り扱われているのかは明らかにされていない。また、手入れの違いがブラジャーにどのように作用するかの研究もごくわずかである。本研究では、若年女性を対象にブラジャーの使用実態を把握し、理想的な取り扱い方を提示することを目的とする。 (方法)若年女子のブラジャーの使用状況のアンケート結果をもとに、5の銘柄・4段階の洗濯方法を用い、未使用を含む25枚のサンプルを作成し、性能比較(寸法変化・引っ張り伸長特性・表面状態観察)と外観官能検査を行った。顕著な違いの認められた2段階のサンプル10枚については着用官能検査を行った。 (結果)性能比較の結果、ネットの有無に関わらず洗濯機普通コースのサンプルでは、ワイヤー及びカップに形状変化が見られた。手洗いコースのサンプルは外観において未使用サンプルとの差が認められなかった。外観官能検査において、7割の被験者が手洗いコースまでは使うと判断していたことからも、ブラジャーはワイヤー及びカップの形状が使用の可否を決める判断基準となっており、形状を保つためには手洗いが必須であると言える。また、安価な銘柄ほど洗濯による影響が顕著に見られ、デザイン重視で購入しがちな安価なブラジャーにこそ入念な手入れが必要である。着用官能検査では、手洗いのものが全般的に普通コースで調整したサンプルよりも高評価となり、シルエットに関する項目では有意差が認められた。
著者
馬場 まみ
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.715-722, 2009 (Released:2012-03-28)
参考文献数
39

The purpose of this research is to clarify the process leading to the widespread use of the school uniforms and their role.The study is done in relations to the social situation after World War II.The results show that school uniforms were made mandatory at public junior high schools in the 1960s for economic reasons.The policy was effective in keeping order in schools.Uniforms were regarded as a convenience by both teachers and parents. In the 70's, uniforms were useful in controlling school life. Teachers forced students to wear uniforms.Some students refused to wear them. School uniforms were worn because teachers and parents regarded them as necessary, and the role of school uniforms changed.
著者
時友 裕紀子 山西 貞
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.347-353, 1993-05-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1 or 0

タマネギ中の遊離糖含量と香気成分の加熱による変化を明らかにすることにより, 加熱タマネギの甘いフレーバーに寄与する因子について検討を行った.以前より加熱タマネギの甘味成分とされていたプロパンチオール (プロピルメルカプタン) は, その標準物質の水溶液の官能評価により甘味を呈さないこと, タマネギの加熱により減少すること, が明らかとなり, 加熱タマネギの甘味成分ではないことが明確となった.生タマネギ中に6%程度存在する遊離糖 (グルコース, フラクトース, シュークロース) の含量は加熱により変化しないか, あるいは, 減少する傾向にあり, 新たな遊離糖の生成はないことがわかった.そして, 水分の蒸発による糖濃度の上昇, 加熱による組織の破壊や軟化により甘味を強く感じるものと考えられた.焼きタマネギの香気成分の分析により, 35成分を同定, 推定した.加熱により, 生タマネギ香気の主成分である含硫化合物量は減少し, 糖の加熱分解により甘い香気成分が生成, 存在しており, 加熱タマネギの甘いフレーバーの一因と考えられた.
著者
小出 治都子 熊谷 伸子 佐藤 真理子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, 2016

<b>目的 </b>我々はこれまで,日本発の有力なソフトパワー&ldquo;マンガ&rdquo;における,袴着装キャラクターに注目し,袴が,クールジャパンを発信する際に有効な民族衣装の一つであると主張してきた.本研究では,若年層が影響を受けると考えられるマンガにおいての,袴のイメージ形成について考察する.<br><br><b>方法</b> 2015年11月,関西圏在住の大学生76名を対象に,集合法による自記式質問紙でのアンケート調査を実施した.袴のイメージ形成に影響を与えたマンガの抽出を行い,それらのマンガに描かれた袴着装場面の内容分析を行った. <br><br><b>結果</b> 袴のイメージ形成に対し,マンガ等の影響があったと答えた割合は52.0%であった.回答されたマンガタイトルの総数は17であった.その中で回答数の多かったマンガは,『ちはやふる』,『信長協奏曲』,『るろうに剣心』,『ハイカラさんが通る』であった.本研究では『ちはやふる』と『信長協奏曲』に着目した.袴に対して「着るのが面倒」「高価な」と敬遠していた登場人物が,ストーリー展開と共に「貫禄がつく」「きれいに見える」「姿勢が良い」と,その認識を変え実用性の高さを理解する様子が読みとれた.マンガ作品における袴着装キャラクターの登場が,若い世代の袴イメージの一端を形成していると考えられる.<br> なお本研究は,科研費26350082(基盤C:袴の機能性研究-世界に発信する&rdquo;Hakama is cool&rdquo;-)の助成を受けて行った.
著者
小泉 昌子 小関 陽子 徳田 愛華 島村 綾 佐藤 吉朗 峯木 眞知子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
巻号頁・発行日
2017 (Released:2017-07-08)

(目的)コーヒーに牛乳を入れる層は増えてきている。本研究では、コーヒーにいれる牛乳の温度がコーヒーのおいしさに関与するかどうかを時系列評価によるTDS法を用い、味の面より検討した。(方法)コーヒーは、インスタントコーヒー(株式会社ネスレ)を用い、表示されている熱湯140mlに対し、コーヒー2gを用いて、試料を調製した。コーヒーの温度が86±2℃あるいは80℃になったのを確認後、コーヒーに普通牛乳(株式会社明治)30mlを入れ、その後55℃~60℃に保ち、試料とした。TDS法は、メディア・アイ製J-SEMS TI・TDSシステムを用い、パネルは女子大学生11名、感覚属性は8属性(苦味、酸味、甘味、渋味、焦げた味、油っぽい、牛乳味、無味)を用いた。(結果)コーヒーでは、初めに苦味を感じ、酸味と苦味が続き、焦げた味、渋味が感じられる。それに対し、コーヒー液80℃に牛乳をいれた試料では、開始直後から苦味が立ち上がり、苦味を感じ、甘味、牛乳味、渋味の順に感じられる。90℃でいれた試料より、複雑な味を感じていた。採点法による官能評価では、90℃で牛乳を加えた試料では、香りの強さ、苦味の強さ、後味の強さが強く、甘みの強さ、なめらかさ、牛乳感が弱いと識別された。嗜好型官能評価では、80℃で加えた試料が有意に好まれた。牛乳はコーヒーがあまり熱いうちに加えない方がよいことがわかった。
著者
大村 知子 山内 幸恵 平林 優子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.393-402, 2008 (Released:2010-07-29)
参考文献数
13
被引用文献数
0 or 1

人体の動作により衣服にはひきつれやだぶつきといった着くずれが生じる.本研究では,姿勢変化の過程における人体とパンツの軌跡を三次元動作解析システムにより捉え,動作により人体とパンツがずれるプロセスの解明を試みた.また,ずれの量や方向についてパンツ別,被験者別,動作別に比較を行った.主な結果は次のとおりである.(1)ずれの量は開口部で大きく,ずれは皮膚の伸展の大きい部位に向かって生じた.(2)ずれはアンクルラインやニーラインなど衣服にゆとりが多い部位で先に生じ、それからウエストラインなど衣服のゆとりが少ない部位で徐々に生じる傾向にあった.また,ずれは水平方向や横方向へ先に生じ,その後に垂直方向に生じる傾向にあった.(3)股上が浅く,ゆとりの大きいパンツは,後ウエストラインにおいて下方へのずれの量が大きかった.立位から蹲踞への動作では立位から椅座への動作よりウエストラインにおいて後方へのずれの量が大きかった.また,ずれの量や方向は被験者の着衣の仕方や好みに影響を受けた.
著者
中澤 弥子 三田 コト
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.167-179, 2004-02-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
28
被引用文献数
2 or 0

文献調査および長野県在住の消費者を対象としたアンケート調査を行い以下の結果を得た.(1) 生イカの購入割合が最も高かったが, 塩イカ, 煮イカの購入も維持されており, 北・東信に比べ南・中信地方で多く利用されるという地域性も認められた.(2) 塩イカ, 煮イカは, 普段から日常食として用いられており, 塩イカは酢の物, 粕和えやサラダに, 煮イカは刺身や酢の物などの和え物に多く用いられていた.(3) 30歳代以上の年齢層に比べ, 20歳代以下の塩イカ, 煮イカについての購入割合や食経験, 現在の摂食状況はやや低い傾向が認められたが, 今後も食べ続けたいとする回答は20歳代以下でも8割以上と多かった.(4) 郷土料理が伝承される重要な要因として, 子どもの頃からの母親の手料理による食経験に加え, 手軽に料理できること, 今の時代に見合うおいしさであることが示された.
著者
岡部 和代 黒川 隆夫
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.379-388, 2005-06-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
12
被引用文献数
1 or 0

ブラジャーカップを分離してその機能を逸らさず乳房の動きを視覚化する方法で, 走行中のブラジャー内の乳房の動き, ブラジャーカップ上の動き, 衣服圧, 下肢の動きを同期させて測定した.ブラジャーカップ内で生じる乳房振動とずれの特性を明らかにし, 以下の知見を得た.(1) スポブラ, フルカップともに乳房振動が走行周期に同期しておきた.しかし, スポブラの最大の振幅は垂直方向の左足の周期(2.73Hz)に表れ, フルカップの最大の振幅は水平方向の走行の周期(1.34Hz)に表れて, ブラジャーによって振動特性が異なった.(2) 衣服圧の変動はスポブラ, フルカップ共に1.34Hzの走行周期, 2.73Hzの左足の周期でみられた.特に, 左足の周期(2.73Hz)で下カップ部の測定点が大きく変動した.これは, ブラジャーカップ内の乳房振動の影響と考えられた.(3) 乳房とブラジャーは走行中にずれ, ある一定の範囲を旋回したが, ずれの周期を見出すことはできなかった.水平方向に振動の振幅が大きいフルカップはスポブラよりずれ量が多くなった.また, ずれやすい部位は下カップ部の正中側であった.以上のように, 乳房が走行中は振動しながらカップ内でずれをおこしていることが判明した.運動適合性を考える上で乳房振動とブラジャーのずれの特性は重要な設計要因と考えられる.スポブラの運動適合性を図るために, 運動の強さに応じた振動とずれを計算する必要があると考えられ今後の課題となった.
著者
伊地知 美知子 小田巻 淑子 小林 茂雄
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.213-220, 2010-04-15 (Released:2012-12-13)
参考文献数
11

The purpose of this study is to investigate the relationship between female students' attitudes toward body images and dressing ideas by compaing the results of two surveys which were conducted in 1992 and 2006 .Two hundred female university students who live in the metropolitan area filled out the questionnaire in 1992 and 2006,respectively.The main items of the questionnaire are the consciousness of their real and ideal body images,and the daily patterns of wearing clothes.These questionnaire data were analyzed by using statistical testing,factor analysis and Quantification Method Ⅲ. As to the female students' consciousness of their own body images,5 common factors which express stoutness,bust size,hipline level,height and shoulder slopes were extracted by factor analysis in 1992 and 2006,respectively.Two factors which express stoutness and bust size were different statistically between ideal and real body images.But the structure of factors indicated the same tendency in both 1992 and 2006.Among the factors from dressing ideas by Quantification Method Ⅲand the factors from body images by factor analysis, some correlations were found in 1992, but none were found in 2006.