著者
村上 恵
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.120-128, 2015 (Released:2015-03-07)
参考文献数
15

本研究では,ゆで水に添加するNaCl の濃度を0%,0.2%,1%,2%に変化させて4種類のスパゲティをゆで,NaCl の硬さへの影響を検討した. ゆでスパゲティの破断応力は,0% NaClと比較して2% NaClで高くなる傾向を示したことから,2%のNaCl添加によりスパゲティは硬く茹で上がると考えられた.ゆでスパゲティの水分含量も2% NaClで減少し,スパゲティの染色実験においても,2% NaClによりゆで後スパゲティの未染色部の割合が増加していたことから,スパゲティへの水分吸収の遅れや水分含量の減少がスパゲティを硬くする要因として関与していると考えられた. さらに,グルテンをNaClを添加したゆで水でゆでたところ,20% NaClでグルテンの水分含量は有意に低値を示したが,2%以下のNaCl添加では水分含量に有意な差はみられなかった. 以上の結果より,ゆで水に通常使用する1%のNaCl 添加では,スパゲティの硬さには影響しないことがわかった.また,2% NaCl添加でスパゲティは硬くなる傾向を示したが,それはグルテンのNaClによる収斂作用以外の他の要因が関与していると考えられた.
著者
岡崎 貴世
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

<b>目的</b> マスクには感染症対策、アレルギー対策、ホコリや粉塵などから喉や気管支を保護する効果がある。また、給食施設においては調理従事者の衛生管理対策として使用される。しかし長時間の着用によって内部が蒸れてきて不快感を生じたり臭いを発してくることもある。さらにマスクが微生物の汚染源となり、マスクを介して細菌が食品に伝播されることも考えられる。そこで、マスクの使用状況の調査と使用済みマスクの微生物汚染度を測定した。<br><b>方法</b> 大学生148人を対象にマスクの使用状況に関するアンケートを実施した。マスクの汚染状況は微生物検査とATP検査で評価した。微生物検査は、生理食塩水中で使用済みマスクを一定時間揉み洗いして検査液を調製し、一般細菌(標準寒天培地)、ブドウ球菌(卵黄加マンニット食塩培地)、真菌(PDA培地)の測定を行なった。また検査液のATP検査を行なった。<br><b>結果</b> 学生のマスクの使用頻度は高く、中には一度使用したマスクを翌日に再使用する人がいた。また着用時にマスクを手で触れる人が多いことがわかった。使用済みマスクの細菌汚染状況には個人差があり、汚染度の高いマスクで10<sup>5</sup>cfuを超える一般細菌が検出された。またその大部分はブドウ球菌だった。マスクの一般細菌数とATP発光量に関連は認められず、マスクには今回の測定で検出されない口腔細菌等が多数付着しているため、ATP発光量に影響したと考えられた。<br>
著者
岡部 和代 黒川 隆夫
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.743-751, 2006 (Released:2007-10-12)
参考文献数
7

ブラジャーは女子の肌に密着するファンデーションとして, 消費者の感性的ニーズをデザインに反映させる必要がある. 消費者の好みや感性をデザインに活かすには, 評価した人の特性を評価し, 類型化することが必要となる.そこで, 本研究では日本人若年女子193名にタイプの異なるブラジャー5種を対象として官能評価を行わせ, ブラジャーの特性を明らかにした上で, 判定者の類型化を行った. ブラジャーに共通した因子として, ズレ感, 揺れ感, 圧迫感, 整容感, 背面・脇押え感を抽出した. 特にズレ感や揺れ感の因子は寄与率が高く, また総合的な着心地との相関が高かった. タイプ別に導出した判定者の因子スコアを原データとしてクラスタ分析を行い, 判定者を4クラスタにパターン分類した. クラスタごとに官能評価結果を分析することにより, 評価の深層を浮かび上がらせることが可能になるということが示唆された. さらに評価結果は, 判定者がブラジャーについてどのような感覚が強いか, ひいてはブラジャーに何を要求しているかを表すものと考えることができる. 判定者が多ければ, 判定者のクラスタはそのまま消費者のクラスタと考えられ, 官能評価分析の結果をニーズに基づく商品設計に応用できるはずである. しかし, 官能評価の判定者の反応が多様であることから, 官能評価の方法や商品設計について考えさせられる点が多かった. 本研究では4クラスタに分類したが, ほとんどの項目に中間の評価をするクラスタ1の判定者が多く含まれる官能評価では明瞭な結果が得られない可能性が高くなるし, クラスタ2とクラスタ3のように反応差が大きい判定者が混じっている場合も平均化されて曖昧な結果に終わることが考えられる. 消費者の感性を商品に反映し, 質の向上を図るためにはクラスタごとに官能評価結果を分析して深層を浮かび上がらせることの重要性が示唆された.
著者
斎藤 瑠美子 勝田 啓子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.201-206, 1989

古代乳製品である蘇は製造されてから利用されるまでの期間, 少なくとも4ヵ月は保存可能な食品でなければならない. そこで蘇の製法の再現実験を試みるとともに保存性について検討するために水分活性に焦点をあて, 再現試料の妥当性を検討し, 次のような結果を得た。<BR>水分含量の異なる濃縮牛乳の水分含量と水分活性測定により等温吸着曲線と類似の曲線を得ることができた.この結果をもとに, 最も水分の少ない濃縮率 14 % のもの (S-14), エメンタールチーズの水分に近い濃縮率 18%のもの (S-18), その中間の濃縮率 16 % (S-16) を蘇の再現試料とし, 保存中の外観変化, 水分含量および水分活性の変化をビーカーを用いて検討した結果, S-16および S-18 は調製から 10 日目にカビの発生がみられ, 水分活性は 0.90 から 0.94 であった. S-14 は1カ月後もカビの発生はみられず, 水分活性は 0.80 以下を保ち続けていた. また水分含量も約 10 % と低い値を示した.一方, 素焼きの壼による保存では4ヵ月後には水分含量は 5.6 % と調製時より下降し, 水分活性は 0.65 と単分子層域の数値を示していた.<BR>したがって, 「延喜式」などの蘇の製法にもとついて保存性を重視し, 本実験のようにホルスタイン種の牛乳を用いて蘇の製法の再現を行った場合は, 牛乳を濃縮率 14 % まで加熱濃縮したもの, すなわち S-14 が古代乳製品蘇に最も類似したものであると考えられる.
著者
河村 知恵 田村 咲江 肥後 慶三
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.941-949, 1993-11-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

野菜の妙め調理における火力の相違が軟化に及ぼす影響をしらべ, さらに軟化の機構を解明することを目的として, ニンジン根部の師部柔組織の硬さと組織形態の変化を調べた.(1) 妙め処理後の重量減少率は火力が大で, 妙め時間が長いものほど大であった.破断応力の解析では, 妙め時間で比較すると火力Bで妙めた方が早く軟化した.しかしガス消費エネルギー当たりでは大差はなかった.破断エネルギーは, 妙め処理当初で生よりも大となったが, 妙め時間の経過とともに低下し, 火力Aよりも火力Bで妙めたもので早く低下した.貫入総エネルギー量は, 火力Bの方が早く低下した.(2) 140,160,180及び200℃のホットプレート上での片面連続加熱では, 温度が高いほど早く, また加熱時間が長いほど顕著に軟化した.ホットプレートの温度設定の相違と軟化の程度の関係は, 妙めものの場合の火力の相違と軟化の状態に類似した傾向を示した.(3) 顕微鏡による柔組織の観察結果では, 火力Aよりも火力Bで妙めた試料の方が組織の形態変化が顕著であった.火力Aでは6分間妙めた場合も, 表面部に水分の緩慢な蒸発による細胞の萎縮が生じるのみで, 内部は煮熟した場合のような様相を呈していた.火力Bで妙めたものでは, 高温加熱による急速な水分の移動のために, より短時間にニンジン片の深部にまで組織の萎縮が及んでいることがわかった.火力Bで3分間妙めたものでは, 急激な水分蒸発が生じるため, 表面部の細胞が偏平化して膜様構造を形成し, その内側に巨大な空隙が生じていた.200℃で片面連続加熱した試料においても時間の経過とともにこの現象が顕著に認められた.このことから, 火力の相違は妙めニンジンの軟化に要する時間に関係するばかりでなく, 表面構造に差異をもたらすことがわかった.
著者
中谷 博美 後藤 景子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.637-643, 2013 (Released:2014-10-23)
参考文献数
23

Detergency of textiles by low-water laundering was assessed with a drum-type washing machine called a Wascator. An artificially soiled cotton fabric (Sentaku Kagaku Kyoukai) and three mechanical action fabrics (WAT cloth, Poka-Dot®306 and MA test piece) were attached to cotton ( 920×920 mm2 ) and polyester ( 200×200 mm2 ) load ballasts and then washed in aqueous alkaline detergent solution with a different bath ratio. The washing procedures used were normal, gentle and hand wash in accordance with ISO 6330. At the extremely low bath ratio of 1:3, both detergency, D, and the mechanical action value, ΔL*, decreased for all washing procedures. The magnitude and the deviation of D and ΔL* were dependent on the load ballasts used, indicating that soil removal was prevented and that uneven washing was promoted for large clothes. The relation between D and ΔL* for all experimental data was plotted on almost the same line in the high ΔL* region. In the low ΔL* region, the relation was dependent on the bath ratio, i.e. detergent bulk concentration. For low-water laundering, it was suggested that the detergency performance decreased as a result of the reductions of the mechanical action and detergent bulk concentration.
著者
柴田 優子 布施谷 節子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.297-307, 2014 (Released:2015-01-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1

Our goal is to identify clothing designs and safer and easier movement patterns for self-dressing. Twenty-four young women were asked to put on and take off pants of 3 different styles (straight leg pants, wide leg pants, and slim leg pants) using the following four support postures: standing with no support, leaning against a wall, sitting on a chair such that the feet do not touch the floor, and sitting on a chair with the feet touching the floor. We examined differences in body sway movements.   Putting on and taking off pants while standing forced the subject to stand on one leg while inserting the other leg into the pants and removing it, which caused the subject to lean considerably in the opposite direction to the leg being lifted. This step was considered to be the cause of swaying among elderly women when they put on and take off pants. This sideways swaying can be significantly decreased by having the subject sit during dressing, regardless of the height of the chair. In addition, swaying movements were greater for dressing in the standing position for slim leg pants than they were for the other styles due to the greater forward inclination that was required.
著者
蟻川 トモ子 大島 さゆり
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.635-640, 1995-07-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
15

梅酒の熟成中における糖, 酸度, pH, 色調の変化について, 30℃および常温保存の試料を, 原料混合から1年にわたって追跡し, つぎの結果を得た.1) 漬け込み後4日目くらいまでは固体のショ糖の溶解のみが起こって全糖度が増加するが, ショ糖の転化は起こらない.2) ショ糖の転化は4日後ころから起こり, 10~90日くらいまでは急激に, 以後は徐々に進行してほぼ200日後に完了する.3) 全酸度は30℃および常温保存試料について, 漬け込み直後6.1および4.4であったものが30日後まで急増してそれぞれ20.0および19.6となり以後徐徐に増加して365日目にはそれぞれ25.4, 21.6となった.4) pHは最初3.2くらいで4日目には3.0に下がり, 以後熟成中あまり変化は認められなかった.5) 色調の変化は日数の経過とともにほぼ直線的に着色が進行した.これは糖の褐変が関与しているものと考えられる.以上の結果にもとついて梅酒熟成中の成分変化について考察した.
著者
藤原 ひとみ 中山 徹
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.361-371, 2014 (Released:2015-01-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

Housing modification is an effective means for elderly and disabled people to continue living in their home. However, it is difficult for renters to modify rental housing in Japan. Sometimes housing modification by the renter is referred to a judicial court.   The purpose of this study is to collect and analyze information about housing modifications that have been done in rented houses. Forty-eight such cases were investigated. The following results were obtained. In 42 cases, contract cancellation was contested for the reason of housing modification by the renter. In 6 cases, the cost related to modification was contested. The contracts of 20 of the 42 cases where housing modifications had been carried out were rescinded, while those of the other 22 were not. Renters were not required to give up their lease if the following conditions were met: 1) the modification work did not affect the structure of the building; 2) the modifications met social demands; 3) the modifications restored the house to its original condition; 4) the value of the housing unit had increased and it was possible to restore the unit to its original condition.   It was concluded that modifications could be carried out without the authorization of the lessor if these four conditions were met.
著者
時友 裕紀子 山西 貞
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.347-353, 1993-05-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

タマネギ中の遊離糖含量と香気成分の加熱による変化を明らかにすることにより, 加熱タマネギの甘いフレーバーに寄与する因子について検討を行った.以前より加熱タマネギの甘味成分とされていたプロパンチオール (プロピルメルカプタン) は, その標準物質の水溶液の官能評価により甘味を呈さないこと, タマネギの加熱により減少すること, が明らかとなり, 加熱タマネギの甘味成分ではないことが明確となった.生タマネギ中に6%程度存在する遊離糖 (グルコース, フラクトース, シュークロース) の含量は加熱により変化しないか, あるいは, 減少する傾向にあり, 新たな遊離糖の生成はないことがわかった.そして, 水分の蒸発による糖濃度の上昇, 加熱による組織の破壊や軟化により甘味を強く感じるものと考えられた.焼きタマネギの香気成分の分析により, 35成分を同定, 推定した.加熱により, 生タマネギ香気の主成分である含硫化合物量は減少し, 糖の加熱分解により甘い香気成分が生成, 存在しており, 加熱タマネギの甘いフレーバーの一因と考えられた.
著者
森田 登代子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.317-328, 2015 (Released:2015-07-16)
参考文献数
37

This report describes how Emperor Meiji's costume changed from the end of the Edo Period to the beginning of the Meiji Era. When he lived in Kyoto, he wore a traditional costume called a Kugeshouzoku (nobility dress). However, after he moved to Tokyo, his costume changed drastically, because he was forced to westernize his way of life in all respects. In Kyoto, he showed his authority as Mikado with Three Sacred Treasures beside him. In Tokyo, everything was different. He had to represent his authority, not by those symbols but through his new dress: he had to give dignity and nobility to his military uniforms. Emperor Meiji's uniforms were henceforth decorated with epaulets, gold strings, and gorgeous chrysanthemum-pattern embroidery. This is clearly evident in the “Goyoudoroku” receipt lists of purchases by the Imperial Family owned by the Imperial Household Agency.
著者
馬場 まみ
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.715-722, 2009 (Released:2012-03-28)
参考文献数
39

The purpose of this research is to clarify the process leading to the widespread use of the school uniforms and their role.The study is done in relations to the social situation after World War II.The results show that school uniforms were made mandatory at public junior high schools in the 1960s for economic reasons.The policy was effective in keeping order in schools.Uniforms were regarded as a convenience by both teachers and parents. In the 70's, uniforms were useful in controlling school life. Teachers forced students to wear uniforms.Some students refused to wear them. School uniforms were worn because teachers and parents regarded them as necessary, and the role of school uniforms changed.
著者
小野寺 裕美 川瀬 豊 川端 博子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 59回大会(2007年)
巻号頁・発行日
pp.26, 2007 (Released:2008-02-26)

(目的)日本女性への普及率がほぼ100%であるブラジャーは、多くの小パーツから構成される繊細なものであるが、一般にどのように取り扱われているのかは明らかにされていない。また、手入れの違いがブラジャーにどのように作用するかの研究もごくわずかである。本研究では、若年女性を対象にブラジャーの使用実態を把握し、理想的な取り扱い方を提示することを目的とする。 (方法)若年女子のブラジャーの使用状況のアンケート結果をもとに、5の銘柄・4段階の洗濯方法を用い、未使用を含む25枚のサンプルを作成し、性能比較(寸法変化・引っ張り伸長特性・表面状態観察)と外観官能検査を行った。顕著な違いの認められた2段階のサンプル10枚については着用官能検査を行った。 (結果)性能比較の結果、ネットの有無に関わらず洗濯機普通コースのサンプルでは、ワイヤー及びカップに形状変化が見られた。手洗いコースのサンプルは外観において未使用サンプルとの差が認められなかった。外観官能検査において、7割の被験者が手洗いコースまでは使うと判断していたことからも、ブラジャーはワイヤー及びカップの形状が使用の可否を決める判断基準となっており、形状を保つためには手洗いが必須であると言える。また、安価な銘柄ほど洗濯による影響が顕著に見られ、デザイン重視で購入しがちな安価なブラジャーにこそ入念な手入れが必要である。着用官能検査では、手洗いのものが全般的に普通コースで調整したサンプルよりも高評価となり、シルエットに関する項目では有意差が認められた。
著者
早川 和江
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 63回大会(2011年)
巻号頁・発行日
pp.84, 2011 (Released:2011-09-03)

目的 江戸時代,日本に初めて伝わったコーヒーは,その当時,薬としても飲用されており,津軽をはじめとする東北の藩士が北方警備のため蝦夷地に派遣された際,病による陣没者の減少に大きく貢献したといわれている.本研究ではこの点に着目し,藩士の飲用したコーヒーが健康に及ぼした影響の詳細について検討した. 方法 『天明の蝦夷地から幕末の宗谷』(稚内市教育委員会,2009年)を中心に,蝦夷地における藩士たちの生活事情を歴史的背景とともに把握し,現在までに明らかになっているコーヒーの成分や薬理作用に関連する文献・資料とあわせて考察した. 結果 蝦夷地での藩士たちを脅かしたのは寒さと浮腫病(水腫病)であった.この病は「腫レ出シ後心ヲ衝キ落命ニ至ル」といわれ,罹患した者の多くは死亡したという.現代でいえば脚気,または壊血病ではないかとされている.1803年に蘭学医・廣川獬が『蘭療法』の中でコーヒーには浮腫病に対する薬効があると説いているが,コーヒー抽出液には脚気,壊血病に有効な成分は含まれていない.一方,蝦夷地での藩士たちの生活は,厳しい寒さと多湿な環境に対して簡便すぎる住居と保温性の低い衣服や寝具,また偏った食生活のため栄養状態も悪く,藩士たちの多くが凍傷,低体温症を患っていたと推察される.これらの疾病は浮腫・むくみ・不整脈・心室細動といった症状を呈し,悪化すると致命率も高いなど浮腫病の症状と一致する.以上のことから,ここでいうコーヒーの薬効とは,コーヒーに含まれるカリウムの利尿作用,またナイアシンの血流改善効果などを指すと考えられ,浮腫病の予防,症状緩和という点において藩士たちの健康維持に有効であったと結論づけられた.
著者
森 理恵 櫻井 あゆみ
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.225-236, 2012-05-15 (Released:2013-10-09)
参考文献数
18

Based on an examination of books on hand-knitting published during the first half of the twentieth century, the authors observed three major trends.First, the repertoire of items that Japanese people knitted by hand, such as accessories and innerwear, gradually expanded to include various types of garments. Moreover, in the 1920s, there was an increase in the types of tools and in the variety of imported and domestic yarns used for knitting.Secondly, the authors determined that there were two periods when hand-knitting flourished: the first phase dates from the latter half of the 1880s to the early 1900s, and the second phase dates from the 1920s to the early 1930s.Third, the discourse on hand-knitting shifted over time. From the 1900s, hand-knitting was appreciated from a practical and economical viewpoint, and then from the 1910s to 1920s it was also regarded from an aesthetic and technical point of view. After the 1920s movement to ‘make good use of leisure time’ and ‘create an artistic home,’ hand-knitting came to be seen as one of the duties women should engage in.Throughout the mid-twentieth century, connections between hand-knitting and femininity were strengthened by this discourse.
著者
小出 治都子 熊谷 伸子 佐藤 真理子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, 2016

<b>目的 </b>我々はこれまで,日本発の有力なソフトパワー&ldquo;マンガ&rdquo;における,袴着装キャラクターに注目し,袴が,クールジャパンを発信する際に有効な民族衣装の一つであると主張してきた.本研究では,若年層が影響を受けると考えられるマンガにおいての,袴のイメージ形成について考察する.<br><br><b>方法</b> 2015年11月,関西圏在住の大学生76名を対象に,集合法による自記式質問紙でのアンケート調査を実施した.袴のイメージ形成に影響を与えたマンガの抽出を行い,それらのマンガに描かれた袴着装場面の内容分析を行った. <br><br><b>結果</b> 袴のイメージ形成に対し,マンガ等の影響があったと答えた割合は52.0%であった.回答されたマンガタイトルの総数は17であった.その中で回答数の多かったマンガは,『ちはやふる』,『信長協奏曲』,『るろうに剣心』,『ハイカラさんが通る』であった.本研究では『ちはやふる』と『信長協奏曲』に着目した.袴に対して「着るのが面倒」「高価な」と敬遠していた登場人物が,ストーリー展開と共に「貫禄がつく」「きれいに見える」「姿勢が良い」と,その認識を変え実用性の高さを理解する様子が読みとれた.マンガ作品における袴着装キャラクターの登場が,若い世代の袴イメージの一端を形成していると考えられる.<br> なお本研究は,科研費26350082(基盤C:袴の機能性研究-世界に発信する&rdquo;Hakama is cool&rdquo;-)の助成を受けて行った.
著者
岡部 和代 黒川 隆夫
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.379-388, 2005-06-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
12
被引用文献数
1

ブラジャーカップを分離してその機能を逸らさず乳房の動きを視覚化する方法で, 走行中のブラジャー内の乳房の動き, ブラジャーカップ上の動き, 衣服圧, 下肢の動きを同期させて測定した.ブラジャーカップ内で生じる乳房振動とずれの特性を明らかにし, 以下の知見を得た.(1) スポブラ, フルカップともに乳房振動が走行周期に同期しておきた.しかし, スポブラの最大の振幅は垂直方向の左足の周期(2.73Hz)に表れ, フルカップの最大の振幅は水平方向の走行の周期(1.34Hz)に表れて, ブラジャーによって振動特性が異なった.(2) 衣服圧の変動はスポブラ, フルカップ共に1.34Hzの走行周期, 2.73Hzの左足の周期でみられた.特に, 左足の周期(2.73Hz)で下カップ部の測定点が大きく変動した.これは, ブラジャーカップ内の乳房振動の影響と考えられた.(3) 乳房とブラジャーは走行中にずれ, ある一定の範囲を旋回したが, ずれの周期を見出すことはできなかった.水平方向に振動の振幅が大きいフルカップはスポブラよりずれ量が多くなった.また, ずれやすい部位は下カップ部の正中側であった.以上のように, 乳房が走行中は振動しながらカップ内でずれをおこしていることが判明した.運動適合性を考える上で乳房振動とブラジャーのずれの特性は重要な設計要因と考えられる.スポブラの運動適合性を図るために, 運動の強さに応じた振動とずれを計算する必要があると考えられ今後の課題となった.
著者
伊地知 美知子 小田巻 淑子 小林 茂雄
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.213-220, 2010-04-15 (Released:2012-12-13)
参考文献数
11

The purpose of this study is to investigate the relationship between female students' attitudes toward body images and dressing ideas by compaing the results of two surveys which were conducted in 1992 and 2006 .Two hundred female university students who live in the metropolitan area filled out the questionnaire in 1992 and 2006,respectively.The main items of the questionnaire are the consciousness of their real and ideal body images,and the daily patterns of wearing clothes.These questionnaire data were analyzed by using statistical testing,factor analysis and Quantification Method Ⅲ. As to the female students' consciousness of their own body images,5 common factors which express stoutness,bust size,hipline level,height and shoulder slopes were extracted by factor analysis in 1992 and 2006,respectively.Two factors which express stoutness and bust size were different statistically between ideal and real body images.But the structure of factors indicated the same tendency in both 1992 and 2006.Among the factors from dressing ideas by Quantification Method Ⅲand the factors from body images by factor analysis, some correlations were found in 1992, but none were found in 2006.
著者
河越 麻佑 岡田 みゆき
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.222-233, 2015 (Released:2015-05-14)
参考文献数
21

This study examined the self-affirmation of university students, and identified the factors which have a significant and influential connection on their self-affirmation. For the purpose of this research, we employed the following terminology: “school life,” “the paternal relationship,” “the maternal relationship,” “the parents marital relationship,” and “gender distinction.” The sample consisted of 539 students, 285 males and 254 females in a teacher-training university.   From exploratory factor analysis of the university students' self-affirmation, the results indicated seven factors which were named “nuisance,” “other people's evaluation,” “self-fulfillment,” “insistence,” “eagerness,” “personality,” and “anxiety.” “School life” had a significant influence on factors described as “nuisance,” “other people's evaluation,” “insistence,” “eagerness,” and “personality.” Furthermore, “the paternal relationship” had a significant influence on their self-affirmation. With regard to gender distinct results, in male students, “the parents' marital relationship” had a significant and positive influence on their self-affirmation. On the other hand, in female students, the negativity toward their parents had a significant and negative influence on their self-affirmation.