著者
内田 直子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, 2016

<b>目的 </b>衣生活では、何か別の行動に変わる時、服装を替えることは通常よくある行為である。しかし着替えることなく別行動に移行した場合、自身は他の人に出会いたくない、またそれを見る他者には、なぜそのような服装なのかなどの感情が生ずることがある。本研究では、ある特定の場所での服装は、どのエリアまで移動することが可能なのか、地理的許容範囲について考察した。<br> <b>方法 </b>自宅着、職業的に限定的な服装などで行動範囲が変わる時、どの程度自己、他者は気になっているかなどについて質問紙調査を実施した。実施年と評価者は2013年女子大学生93名、2014年女子大学生109名、男子大学生28名である。<br><b>結果 </b>女子9割、男子6割が、自身の部屋着で自宅外のどこまでも行くことはできず、女子の場合ゴミ捨て、自宅近くの自販機までは比較的行きやすいが、コンビニや公園までは行きにくく、またサンダル履きでは公共交通機関を利用することも憚られた。対人に遭遇するかどうか、自力で行動できるかどうかが一つの境界とみられる。また、医療白衣着用者の職場外出を見た場合、その場所が病院の近所より遠方、また飲食処であると女子はそれが気になり不快感も高くなっている。しかし、男子は女子ほど気にならず、また不快感も低い結果となった。男女間の外出時の意識の違いが、服装の圏域・境界の意識の違いに通じ、場合によって社会的場違いや違和感の一因になっているのではないかと思われる。

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こんな論文どうですか? 衣生活行動の圏域・境界に関する一考察(内田 直子),2016 https://t.co/cn29CITa5W <b>目的 </b>衣生活では、何か別の行動に変わる時、服装を替えることは通常よくある行為である。しかし着替えるこ…

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