著者
谷本 奈穂 渡邉 大輔
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.55-69, 2016

本稿の目的は,近代家族の理念の出発点ともいえるロマンティック・ラブ・イデオロギーが,現在どうなっているかを検討することである.ロマンティック・ラブ・イデオロギーの概要をふりかえった後,雑誌記事の分析および別れの語彙の分析から仮説を立てた.(1)ロマンティック・ラブ・イデオロギーは90年代以降に衰退し,(2)代わりに「ロマンティック・マリッジ・イデオロギー」と名付けるべきものがせり出してきている,という仮説である.量的データから,仮説(1)(2)とも検証された.またとくに,ロマンティック・マリッジ・イデオロギーは,若い女性や恋愛機会の多い人に支持されていることも分かった.ただし,ロマンティック・マリッジ・イデオロギーは,恋愛を解放しても結婚は解放しなかった.結婚へのハードルは高いものといえる.

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CiNii 論文 -  ロマンティック・ラブ・イデオロギー再考:―恋愛研究の視点から― https://t.co/9neHOsbd0S これいい論文だしめっちゃおもしろい。「いい恋愛」の基準に結婚が求められた時代から、「いい結婚」の基準に恋愛が求められるロマンティック・マリッジ・イデオロギーの時代になってきてると
リンクを貼るのを忘れていた。 https://t.co/Dd9lf4xg0t

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