- 著者
-
齋藤 剛
- 出版者
- 安全工学会
- 雑誌
- 安全工学
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.6, pp.385-390, 2009
<p>形状や寸法の工夫で危険源に人が触れないようにすることは,機械のリスク低減としてきわめて本質的である。この際,適切な寸法を与えるのがISO 13857 である。また,ISO 13857 は,安全防護の正当性を計る基準でもあり,ガードの上を越えたり開口部から手を通したりしても危険区域への到達を阻止するのに必要なガードの大きさと設置位置を示す。ただし,ここで規定された数値は欧州各国で得られた人体計測値をおもな根拠にしており,欧米人と明らかに体格が異なるわが国の労働者にとって必ずしも適切とはいえなかった。本稿では,このISO 13857 の概要を述べるとともに,本規格の規定値を日本人に適用することの妥当性を検証した測定結果について紹介する。</p>