著者
東川 浩二
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.97-107, 2009

我が国における選挙資金規制の問題は,いわゆる事務所費問題のように金銭の不正使用との関連で議論されることが多いが,合衆国では,選挙資金規正法は,政治活動の規模と質に直接影響を与えると考えられ,憲法が保障する表現の自由との調節をどのようにはかるかが問題とされてきた。この点について1976年の Buckley 判決で献金制限=合憲, 支出制限=違憲という定式を定めたが,規制が認められる範囲は徐々に拡大され,2003年のMcConnell判決では意見広告のための支出の制限も合憲とされるに至った。しかしながら2005年に2名の最高裁裁判官が交代すると,最高裁内部で判例変更をせまる意見が多数を占めるようになり,今や政治浄化よりも表現の自由を強化する方向の判決が相次いで出されるようになってきている。

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