著者
笠松 健太郎 山中 浩明 酒井 慎一
出版者
社団法人 物理探査学会
雑誌
物理探査 (ISSN:09127984)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.265-275, 2015
被引用文献数
1

&nbsp;&nbsp;地震動評価で重要となるS波速度構造モデルの構築に資するため,深部地盤の二次元S波速度構造を推定する手法について検討した。本手法では,二次元仮定が成立する伝播経路を対象とした構造推定のため,はじめに観測記録を分析してラブ波伝播特性を調べる。次に,ラブ波がほぼ同じ方向に伝播する測線上の観測記録を用いて,ラブ波を対象とした波形インバージョンを行い,二次元S波速度構造を推定する。提案手法を2011年富士山付近の地震(<i>M</i><sub>J</sub>6.4)を対象とした地震動の三次元シミュレーションによる周期6~10秒の速度波形に適用し,手法の妥当性を確認した。この手法を同地震の相模原と世田谷を結ぶ測線上の地震観測記録に適用し,この断面の二次元速度構造を推定した。観測記録のラブ波成分は良く再現され,推定結果の速度構造は地震調査研究推進本部(2009)のモデルに比べて堆積層が薄く求められた。この結果の妥当性を確認するため,観測記録のcoda部分を用いて水平上下スペクトル比を算定し,理論によるレイリー波の基本モードの楕円率と比べた。観測されたピーク周期は推定結果の方と良く一致しており,構造モデルが妥当であると考えられることを確認した。<br>

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こんな論文どうですか? ラブ波を用いた波形インバージョンによる深部地盤の二次元S波速度構造の推定(笠松 健太郎ほか),2015 https://t.co/EhJ1Lh6vmp &nbsp;&nbsp;地震動評価で重要となるS波速度構造モデルの構築に…

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