- 著者
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一色 賢司
- 出版者
- 日本マイコトキシン学会
- 雑誌
- マイコトキシン
- 巻号頁・発行日
- vol.67, no.1, pp.29-32, 2017
<p> 人間は従属栄養生物であり,ご先祖から食べ物で多くの苦労をしてきた.食品安全は,国,民族,地域でとらえ方や定義が異なる.食品安全分野でも,地理的条件,食文化が違うのに否応なしに国際標準化は進行している.食料自給率が低い我が国は,食品のリスク分析だけではなく,農場から食卓までのフードチェーン・アプローチを重視すべきである.消費生活においても,川上と川下の協力がなければ安定的な調達は困難である.我が国のフードチェーンは,地球全体に伸びていることを国民に説明し,理解を得なければならない.気候変動や天災,さらにテロなどの不測の事態にも備えるべきである.</p>