著者
山田 恭子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

本研究では,教員志望学生が産出する説明文の構造の特徴を明らかにした。そのために実際に説明文を産出させた直後,その後「表記・表現の容易性(例:文章が固くなりすぎないようにした)」「流れやまとまりに対する配慮(例:順序立てて書いた)」「読み手への興味・関心への配慮(例:読み手にとって身近な事柄を中心に書いた)」「具体性(例:見た目の特徴を書いた)」「説明すべきものの先行呈示(例:説明するものが何なのかを最初に明らかにした」の5つのメタ認知的説明文産出方略の使用の有無を自己評定させた。同時に児童と接した経験の有無の影響も調べた。その結果,学生は他の産出方略と比較して「具体性」を重視しないことがわかった。この傾向は児童と接したことがない学生においてより顕著であった。また,児童と接したことがある学生は,「表記・表現の容易性」「具体性」をより重視するようになる可能性が示唆された。

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