- 著者
-
重森 雅嘉
- 出版者
- 日本認知心理学会
- 雑誌
- 日本認知心理学会発表論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.2012, 2012
ヒューマンエラーを事故が起こる前に発見するためダブルチェックを複数回行うことがある。しかし、複数人が作業に関与すると、単独で行うよりも個々のパフォーマンスが落ちること(社会的手抜き)が知られている。したがって、ダブルチェックにおける社会的手抜きの可能性を検討した。大学生を対象に、2つの誤字を含む文章校正課題を単独で行う条件(単独条件13名)と複数人で行う条件(複数条件、1回目:31名、2回目:29名、3回目:28名)で実施し、各回の平均誤字検出数を比較した。その結果、単独条件の検出数が複数条件の各回よりも多かった。また複数条件の各回の検出数には違いがなかった。これらの結果から、既にチェック済みのものを再度チェックする場合とこれからチェックするものがその後他者にチェックされる場合の社会的手抜きについて検討した。