- 著者
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中澤 弥子
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.66, 2014
<b>【目的】</b>本研究の目的は、戦後、導入された学校給食の牛乳について、文化的・社会的な影響等を検証し、今後の学校給食における牛乳利用について検討することである。<br><b>【方法】</b>学校給食と牛乳導入の歴史については、乳業関係会社の社史、学校給食に関する史誌や統計資料、調査資料等を広く収集して調べた。学校給食と牛乳摂取に関する意識、実態については、学校給食と牛乳摂取に関するアンケート調査を、学校給食の経験者である長野市内のN短期大学学生と3小学校の保護者を対象に実施した。 <br><b>【結果】</b>危機的な食料不足と学童の深刻な栄養失調を背景に、旧日本軍の保管食料やララからの救援食料をもとに再開した学校給食では、脱脂粉乳のミルクが導入された。「学校給食法」にも、脱脂粉乳のミルクは、学校給食の基本的メニューとして奨励され、小児の栄養改善のため最も費用効果的な方法の1つと考えられ継続されてきた。昭和32年度より、国策として国産牛乳が学校給食で使用されるようになった。アンケート調査の回収率は、小学校85.4%、短期大学100%であった。米飯給食のとき、牛乳を「全く抵抗なく飲んでいる」という設問に小学生78.9%、短期大学生64.5%、「少し抵抗はあるが飲んでいる」に小学生15.8%、短期大学学生25.6%の回答が得られた。その他、牛乳飲用の時期等、今後の学校給食での牛乳利用に関する資料が得られた。