著者
平野 恭弘
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.125, 2014

三重県松阪市および多気町で覆われている櫛田川流域において、流域の持続可能性を危惧する事象の一つに、森林地域のシカ問題があげられる。臨床環境学研修では、博士後期課程の学生が、地域住民に聞き取り調査などを行い、農林業被害を引き起こすシカによる森林環境の変化に焦点をあて、臨床環境学的診断と処方に取り組んだ。特にシカの活用とシカ肉の流通に関して問題となる点を明らかし改善の提案をすること、また本流域の持続可能性に問題となりうるその他の事象について、シカ問題を中心にそれらのつながりを俯瞰的に明らかにすることを目的とした。<br> シカの活用と流通については、個体数管理のため廃棄されているシカに着目し、狩猟者、肉屋、シェフに聞き取り調査を行うことで、枝肉として利用することが三者にとってコスト的にもメリットがあることを処方箋として提案した。さらにシカ個体数の増加は、単に人工林の管理不足など森林だけでなく、少子高齢化や都市山村間のグローバリズムなどの問題とも密接に関連している可能性が問題マップを描くことで示唆された。

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