著者
阿部 新
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.25, 2014

自動車リサイクル法は,分別後の不要物の再資源化費用等を新車購入時にプールする仕組みであり,理論的に廃棄物の不法投棄による外部費用問題と不公正取引問題を防ぐことができる。しかし,この枠組みは中古車として輸出されるものは対象外であり,輸出先では外部費用問題と不公正問題は起こりうる。本研究では,自動車を事例として,中古品貿易を考慮した場合の廃棄物処理制度における政策研究の課題を考察する。まず,実際の自動車リサイクル法の枠組みにおいて,事前に支払うリサイクル料金が中古車輸出において返還される仕組みを説明し,日本などの輸出国はそのような料金の未返還政策のインセンティブがないことを示す。次に,廃棄物と中古品の違いを示し,中古品は廃棄物ではなく,その輸出において廃棄物の排出者責任の考え方を適用できないことを示す。さらに,拡大生産者責任の考え方が国境を越えて適用できないことを示し,方向性や課題をまとめる。

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