- 著者
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岡野 多門
- 出版者
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
- 雑誌
- 廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
- 巻号頁・発行日
- vol.25, 2014
長崎県から鳥取県までの東シナ海および日本海側からのごみが漂着できる鳥取県の8海岸で日本からのごみ流出について分析した。漁業ごみはロープ,フロート,ポリタンクの3種の計の年間平均漂着重量は約65㎏/(hm・Y)であるが,日本由来と確認できる量は少なかった。民生ごみは次に多く,飲料や洗剤,調味料容器,耐圧缶,ライターの合計は約30㎏/(hm・Y)で,ここでは日本ごみが約半分を占めた。農業からは肥料袋が多いが,漂流過程で沈むため外国由来は少ない。日本の農薬プラ容器と肥料袋の年間平均漂着重量は0.8㎏/(hm・Y)であった。日本から流出する深刻なごみ種は飲料容器で,合計は156個/(hm・Y)で,民生主要9種の87%を占めた。小型ペットボトルは最も重大なごみ種で河川流域の陸域と海浜周辺で多く投棄され,そこからの漂着割合は大型ペットボトルとタブ型飲料缶を説明変数とする重回帰分析で推定できる。これによって的確な排出防止策の実施が可能になる。