- 著者
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依田 萬代
根津 美智子
樋口 千鶴
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.26, 2014
【目的】近年、社会状況の大きな変化により日本の食生活が画一化され、各地の特産品を利用した郷土料理は薄れつつあり、又行事食も伝承力が薄らいでいる。そこで、今回はお正月料理を中心に伝承の現状について検討した。【方法】2009年11月~2013年11月の5年間の変化を山梨県内に存在する大学生及び保護者の合計1520名(回収率98%)を対象としてX<sup>2</sup>検定により分析した。【結果と考察】山梨県は地域性、気候風土も相まって地域に根ざした食文化を形成してきた。郷土料理のイメージとしての項目ではほうとう、地産地消、郷土愛の順であり、5年間の変化は4~5割とほうとうが最も高かった。郷土料理が減少傾向に対し、何とかしなければならないが56~75%と大幅に増加し郷土料理が減っていくことへの危機感を持ち継承の希薄化の回答も増加した。お正月料理の伝承者は6割が家族に教わり、調理時間を要す、材料の準備が大変、調理法が困難、価格が高いが示されお正月料理の工夫点としては色彩、味付け、地場産物、山梨県の特産品、栄養バランスを図る、海の物と山の物使用、盛り合わせの順であった。お正月関連行事では、七草粥やどんど焼き団子の摂取も平均で約60%と高かった。又、正月料理の作成率は65歳以上が最も高く、中でも金平牛蒡は各年齢共に70%以上の傾向が見られ、次いで雑煮餅であった。食文化の伝承には食教育の充実、産官学連携など食育活動の実践が大切である。今後も地域活性化に繋げ継続的、効果的な展開になるように取り組みたい。