著者
渡辺 博明
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.32-43, 2010

2006年のスウェーデン選挙は,3期12年ぶりの政権交代によって注目された。その際,中道右派4党の勝利を可能にしたのは,前例のない周到な選挙協力であった。本稿では,(1)それに先立つ社民党政権期に,連立政権ではなく文書化した政策合意に基づいて多数派を確保しようとする「契約主義的議会政治」が現れたこと,(2)それが右派の結集を促し「選挙連合の政治」を生んだこと,(3)2006年での右派の勝利が今度は左派3党を次期選挙に向けた事前協力に踏み切らせたこと,を見ていく。その上で,選挙を前に左右両陣営が政権構想を固めて有権者の支持を奪い合う現在の状況は,同国の伝統的な「ブロック政治」の枠組みを越え出るものであることを指摘し,政党自身の変化や有権者の投票行動の変化にも言及しながら,この10年余りの間に同国の政党政治と選挙をめぐって構造変動が起きていると結論づける。

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