著者
大平 修也
出版者
大学美術教育学会
雑誌
美術教育学研究 (ISSN:24332038)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.113-120, 2016

本論は,表現活動全般を含む人間の種々の活動をコトバとして捉える〈言分け〉構造,及び人間が先天的に有する身体を自然的要因として捉える〈身分け〉構造を手掛かりに,筆者の美術・図画工作科における造形活動の経験をきっかけとすることで,つくることに対する苦手意識の形成過程を明らかにし,筆者の今後の研究活動の土台を築くものである。これを基に,子どもたち一人ひとりが造形活動を介して,どのようにして素材や道具などの物的環境,及び教師や他の学習者などの人的環境と身体的に関わり,自らの想像の世界を広げていくのか,その在りようを見出したい。本論の構成は,美術・図画工作科における筆者の造形活動の経験,筆者の幼児期及び児童期以降の2つの造形活動にみる〈言分け〉・〈身分け〉構造,造形活動を介して形成され得る自己と学びの場への示唆としたが,本論の検証に関しては今後の研究課題としたい。

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