著者
田畑 理恵
出版者
大学美術教育学会
雑誌
美術教育学研究 (ISSN:24332038)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.249-256, 2016

書道教育における鑑賞教育には,「目習い」という言葉が象徴するように,表現を前提にした性格があることは否めない。書道を学ぶなかでの批評について考えると,書塾だけでなく高等学校芸術科書道においても,批評には指導者主導で行われる判定的な性質に偏ったところがあると言える。書道教育における鑑賞と表現の関係も,批評のこのような実際も,書道の学習が芸道の学びを源としている一面があることが理由であるとも考えられる。学校教育における書道の批評のあり方を考えるとき,美術教育における試みの盲目的な追従ではなく,書道の芸術の特性を考慮することは不可欠である。そのような考慮のもと,美術教育における批評の位置付けと内容についての考察と,書道教育における批評の現状とを比較することで,書道教育における鑑賞という視点からの批評の意味とあり方を導き出せると考える。さらには,鑑賞教育における批評の意味について考察したい。

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鑑賞教育における批評の意味についての一考察:―美術教育と書道教育の批評の意味の比較を通して― https://t.co/eig35vUg3k

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