著者
榊原 千鶴
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.44-52, 2011

<p>明治期に多く作られた女性向け書簡文範のなかには、中世の軍記物語を素材のひとつとするものがある。たとえば、樋口一葉晩年の作品として広く読まれた『通俗書簡文』では、一葉による本文とは別に、鼇頭が設けられている。両者は乖離することなく、書簡文範というひとつの世界を創造した。その世界で軍記物語は、どのような役割を果たしたのか。本稿では、近代における中世文学の再生の意味を、戦時下での女性像という面から考えた。</p>

言及状況

外部データベース (DOI)

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

"もちろん平仮名ばかり。平仮名も変体仮名が多く、続け字で、読みにくい上に、言葉の中味も七、八ツの子に分るはずのないものですが、ただ夢中で習いました。(『武家の女性』…" →青山千世(山川菊栄の母)の証言

収集済み URL リスト