- 著者
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武井 玲子
大泉 由美
鍋山 友子
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.69, 2017
<b>目的</b> 便利で快適な生活を送るために、様々な生活関連品やモノを活用している。これらを安全かつ安心して使うための評価手法としてリスクマネジマント研究が有用である。実際に、食品添加物等はこの考え方が採用されている。しかし、依然として安全性に納得できず不安を抱いている生活者が多い。そこで、リスクマネジメント研究事例を分析評価し、リスク予測の精度を上げ生活者に対してより説得性の高い手法の提言を試みる。<br> <b>方法 </b>家政学会誌はじめ関連学会誌を対象として生活関連品に関するリスクマネジメント研究を分析評価した。 <br><b>結果 </b> 一般にリスクマネジメントは、暴露評価やリスク分析評価に基づきリスク低減化策を講じた後残されたリスクの性質や程度を公表するリスクコミュニケーションの一連の流れで進められる。様々な生活関連品に関するリスクマネジメント事例研究の課題の一つ目は、暴露評価の充実である。台所用洗剤の場合は老若男女の通常使用時の経口、経皮暴露に加えて誤飲時の眼への暴露等、乳幼児の被服の場合は乳幼児の生活実態の即した暴露評価に続くリスク評価が必要不可欠である。二つ目は、「ゆりかご」から「墓場」までをカバーするライフサイクルアセスメントの考え方を採用することである。この事例としては被服の変退色をリスクととらえ、製造・購入・着用・手入れ・保管の各段階においてリスク評価を行うことでより精度が高まる。三つ目は、実際に即したリスクコミュニケーション手法の充実である。