著者
石生 義人
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.72-87, 2012

本論文では,2004年大統領選挙時点におけるイラク戦争支持の決定要因をサーベイデータを使って分析した。その結果,アメリカ人のイラク戦争支持に影響を与えていた社会・心理的特徴は,帰属政党,信仰宗教・宗派,愛国心,最終学歴であることがわかった。 帰属政党に関しては,共和党帰属者が最もイラク戦争支持傾向が強く,民主党帰属者が最も弱かった。信仰宗教・宗派に関しては,キリスト教バプテスト派が最も支持傾向が強く,ルター派・メソジスト派の支持が特に弱かった。愛国心はイラク戦争支持に正の影響を与えていた。最終学歴に関しては,大学院等の教育を受けている人の支持傾向が弱く,短大卒以下の最終学歴を持つ人の支持傾向が強かった。これら四つの要因が,イラク戦争の正当性を批判的に評価することを促進または抑制し,その結果として戦争支持態度が影響を受けたと考えられる。

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イラク戦争支持の決定要因:2004年大統領選挙時点でのアメリカ世論分析 https://t.co/pSXjNz6ppt

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