著者
山崎 誠
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.2-10, 2012

<p>「序」が長い歴史を持つのに対して、「跋」は新興の文体である。定義上の区別の曖昧な奥書・識語との混用の歴史を振り返りつつ、宋代に混用から脱して独立した文体の地位を得る題跋の姿を概括し、我が国中世文学へ移入されるさまを観察した。</p><p>古代から中世にかけての書物の末尾に付けられる奥書・識語が、依然「跋」との区別の曖昧な形を持つことを指摘して、文学史の問題点とした。</p>

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