著者
大塚 英明
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.635, pp.635_21-635_41, 2016

今次の募集制度改革では,平成12年に規制緩和の流れの中で認められた「代理店と雇用関係にない使用人」による募集が見直され,新監督指針では,使用人は実質的に代理店との間に雇用契約の締結を要求されるようになった。しかもそこでは保険業法275条3項が強く意識されているため,「雇用関係にない委託型募集人は募集再委託の禁止に抵触する」という表面的・定式的な論法が定着しつつある。そのためにとくに「委託型」損保代理店の現状を混乱させることのないよう,ある種の妥協案さえ提示された。しかし,そもそも募集再委託の禁止は,絶対的な原理なのであろうか。そして,募集人の「適切な教育・管理・指導」は,本来,募集再委託の禁止とどのような関係で捉えられるべきなのであろうか。本稿はこれらの点をあらためて検討することにより,「募集」と「教育・管理・指導」の一致こそこの問題の本質であり,代理店の自立・自律を志向する募集体制変革においては,委託型募集人の現状よりはむしろ募集再委託禁止という理論の側を見直すべき可能性があることを提言する。

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