- 著者
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岡田 泰徳
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.68, pp.83_1-83_1, 2017
<p> 「アメトーーク!」というバラエティ番組は、2006年から放送が開始され、現在では週2回のペースで放送されるほどの人気を誇っている。同番組は、「くくりトーク」と呼ばれる、ある共通点や類似点をもったお笑い芸人たちが、そのテーマに沿ったエピソードを持ち寄り、トークを繰り広げるという形式が多く見られる。特に「学校」や「部活動」、「スポーツ」に関して共通点があるものをテーマにした回は多く見られ、人気が高い。当番組では、テーマにくくられた出演者が、番組後半にかけて、お互いをフォローし合うなど、一体感が強まる様子が見られる。このよう場面に関して、中島ら(2013)は、「人々は集団へ所属することを通して、内集団に同一視し、個としての自分ではなく集団の一員としての自分を意識するようになる」と述べており、その過程を経て人々は「集団アイデンティティを獲得する」(p.162)としている。本研究では、「アメトーーク!」の「くくりトーク」に注目し、スポーツがキャラ化し、他者との相互作用の中でアイデンティティが消費される現代社会の特性について検討してみたい。</p>