著者
久松 信夫
出版者
日本ソーシャルワーク学会
雑誌
ソーシャルワーク学会誌 (ISSN:18843654)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.1-16, 2017

<p> 本研究の目的は,地域包括支援センター社会福祉士による,独居認知症高齢者の早期発見と早期対応のプロセスを明らかにし,地域を基盤としたソーシャルワーク理論の視点から考察することである.社会福祉士9人にインタビュー調査を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチで分析を実施した.その結果,独居認知症高齢者の早期発見のプロセスには,<初期情報の把握と早期発見の基盤づくり>を行いつつ<アウトリーチの工夫と関係づくり>があり,ともに《直接的介入による状況把握と協力依頼》に至る.その後の対応は,《直接的介入による状況把握と協力依頼》を基点に<介入代行の依頼と関わりの拡大>を行い,<緊急性の察知と事態悪化による介入>を実施し<早期に社会資源につなげ本人に焦点化した支援方針を立てる>というプロセスを確認できた.これらの概念は,地域を基盤としたソーシャルワーク理論の特質と機能と関連することを導き出した.</p>

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