著者
笹井 香
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.18-34, 2017

<p>「ばか者!」「恥知らず!」「嘘つき!」などの文は、先行研究において文として適切に位置づけられてきたとは言いがたい。本稿では、これらの文が、同じく体言を骨子とする文である感動文や呼び掛け文などとは異なる形式や機能をもつことを明らかにし、これらを新たに「レッテル貼り文」と位置づけることを試みた。レッテル貼り文は「性質、特徴、属性などを示す要素+人や物を示す要素」という構造をもつ名詞(=レッテル)から成り立つ体言骨子の文で、対象への価値評価にともなう怒りや呆れ、嘲り、蔑み、嫌悪、侮蔑などの情意を表出することを専らとする文、即ち悪態をつく文である。このような文は、その言語場において話し手が対象に下した価値評価が名詞の形式(=レッテル)で表され、文が構成されていると考えられる。このような文を発話することによって、対象に下した価値評価、即ちレッテルを貼り付けているのである。</p>

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