著者
粕谷 祐子
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.48-61, 2015

本稿では,東南アジア諸国における現行の選挙制度を概観したうえで,1990年代以降に選挙制度改革のあった3カ国をとりあげ,その改革導入の経緯と帰結を検討する。インドネシアにおける非拘束名簿式比例代表制,阻止条項,女性クオータ,タイにおける小選挙区比例代表並立制,およびフィリピンにおける政党名簿制の導入がここでの主な分析対象である。これらの制度改革に共通するおおまかな特徴として,多数決型への変更とコンセンサス型への変更とが混在していること,民主化という体制変動を契機に制度改革がおこっていること,そして,制度設計者が意図したとおりの変化はほとんどの場合おこっていないこと,の3つを指摘する。

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